2021年春、島根県、津和野の永明寺の参拝記録。
明治の文豪・森鴎外のお墓があるお寺。快晴できもちよい春の日の参拝となりました。
永明寺について
■名称:覚皇山 永明寺(かくおうざんようめいじ)
■宗派:曹洞宗
■所在地:島根県鹿足郡津和野町後田ロ107
■公式サイト:毛利家・観光の寺院 黄檗宗 永明寺
永明寺はこんなお寺
津和野藩の代々の菩提寺
森林太郎(森鴎外)のお墓
津和野うまれの偉人・森鴎外のお墓があります。
名前だけ刻まれた、簡素なお墓。
津和野に戻ることはなかったけれど、「森林太郎として津和野で死にたい」という希望がかなえられたとか。私が森鴎外クラスの人間ならば、なんなら国葬にしてほしいけどね。
森林太郎の遺書もある
森鴎外が友である賀古鶴所(かこつるど)に書き取らせた遺書も、永明寺に保管されている。
宝物館で見れますよ。
本格的な池泉鑑賞式庭園
美しいお庭も見どころ。
2021年春、大規模工事中
2021年春の訪問時は、大規模修繕工事中だった。
永明寺の参拝記
訪問時期:2021年春
今回のルート
津和野駅前からレンタサイクルで移動
津和野駅前のレンタサイクルショップ「かまい」にて自転車をレンタル。荷物も預かってもらえます。コインロッカー代が節約できる。
今日の相棒はこちら。電動ではないですが、津和野町は平坦なので問題はなかった。
・普通の自転車
・1日利用で¥800
津和野駅前からスタート
アクセス:津和野駅から自転車で5分
徒歩だと15分くらいかな。
踏切を通過
踏切を渡って、線路の向こうへ。
乙女峠マリア聖堂との分岐点。看板があります。
細い道を進む。
もう着いた。永明寺のふもと。
石垣あと。
永明寺と刻まれた石。
自転車はこのあたりに停めておこう。
大きい木から若い葉っぱが生えていた。
山門
緑の中の山門。素敵!
扁額「覚王山」
山号、覚王山の文字。
なまこ壁
津和野の特徴の、なまこ壁。
目地の盛り上がった形がナマコ(海鼠)に似ているから。
モリっとしている。
裏から見た、山門。
森林太郎の墓
山門を入るとすぐ右に墓所がある。
森鴎外のお墓があります。
森鴎外の遺言、
石見人 森林太郎として死せんと欲す
そのとおり、「森林太郎」とだけ刻まれたシンプルなお墓。
淡島堂
婦人科系の病気にご利益があるという淡島堂。
コムギは生理が重く、毎月苦しんでいる。必死におまいり。どうにかしてください!
中雀門
中雀門は工事中のため近寄れず。
鐘楼堂
鐘楼堂の入り口から入場。
鐘楼は登れない
一般参拝客は鐘楼には登れません。ぐぬぬ。
梁には、こんなお札が貼ってあった。
禅様式の花頭窓。ここ永明寺は曹洞宗のお寺です。
庫裏・大講堂を通過
庫裏・大講堂には入ることはできない。通路には禅寺らしいアイテムが並ぶ。
木魚
口の中が赤い。丸い玉は、煩悩。
拝観受付
工事中の通路を通って、受付へ。
ここより先は拝観料が必要です。
本堂
工事中の瓦が積まれている庭を横目に、本堂へ。
本堂の外陣は、広い。
下から見上げた茅葺き屋根。茅葺きの、この真ったいらな感じをみると、なんだかほのぼのした気持ちになる。
宝物館
本堂奥の宝物館も解放されている。
赤絨毯にテンションがあがる。お宝拝見。
大日如来
この大日如来の仏像は、
- 隠岐にて後醍醐天皇に献上される
- 後醍醐天皇が大山寺に奉納する
- 亀井茲矩が功により大山寺より贈られる→永明寺へ
寺巡りをすると、歴史に触れる機会が多い。
十六羅漢図
ひとつの掛け軸にひとりの羅漢。ずらりと並ぶ。
お殿様用のお膳
お殿様がお越しの際に使用した膳セット。美しい朱塗り。
亀井家の家紋、四つ目。
釈迦涅槃図
月因和尚着用の袈裟と数珠
永明寺の開祖である月因和尚着用の袈裟と数珠。綺麗に保存されている。
森林太郎(森鴎外)の遺書
永明寺いちばんのお宝は、これでしょう!森鴎外の遺書。
友人による代筆ですが、本物の遺書。森鴎外記念館ではなく、こちらで保管されているのです。
お墓もあるけれど、遺書もこちらの宝物館に保管されています。
石見人 森林太郎として死せんと欲す
ちゃんとこの文も確認できた。
位牌堂
津和野藩主の亀井家の位牌が並びます。
重厚な黒色の扉にも、四つ目。亀井家の家紋。
書院
広い書院。ゴロンと転がりたい気持ちになる。
襖絵を見逃すな!
書院の襖には、バラエティに富んだ襖絵が描かれている。
こんなに広かったらお掃除は大変だろうに。
いずれは、畳の和室のある日本家屋に住んでみたいものだ。
庭園
書院の縁側から庭園が見える。
でも残念ながら、工事中。
殿様御成の間
”殿様御成の間”、こちらから眺める庭園は、石見屈指の名園。
(ですが工事中)。
園の美しさは工事中でもわかる!
滝がある。
赤く色づいた木。
空の青、新緑の緑、赤のコントラストが綺麗。
なまこ壁の蔵もいいね。
ちいさな五重の塔がありました。
庭園脇にある蔵。
上部には、うさぎがいた。
因幡の白うさぎかな?
お天気が良くて、鏡面になっている池。
とにかく美しい庭園です。
墓地入り口
本堂横の奥の石段をのぼって進む。
妙見堂
のぼるとすぐに妙見堂。
墓地を進むと、オレンジのなにか。
このオレンジのものは、ツブダイダイゴケというんだって。
墓地は傾斜のある坂道。
振り向くと本堂が見える。
坂崎出羽守の墓
坂崎出羽守(さかざきでわのかみ)
関ヶ原の戦いの功により津和野城主となる。のち、千姫事件により切腹。
そのためか、「坂崎出羽守」ではなく「坂井出羽守」と墓石には刻まれている。
秋葉堂
・・・への道は閉ざされた
庭園の奥から秋葉堂へ。
これ、本当にこの道なのでしょうか?
「百寺巡礼ガイド」の地図には載ってるけどさ!
道は細くて、急で、滑り落ちそう。
見下ろすと、はるか下に庭園と書院。ヒイイ。
これ以上登ったら、降りるのは厳しいな。そう思っていたら、滑った。
これは滑った時に撮れていた写真。
ジャケットもパンツも、草だらけになっちゃった。
秋葉堂への道は消失した
のちに、お寺の女性にきいたこと。
人通りもなく、土砂崩れなどにより、現在は秋葉堂への道は消えてしまったとのこと。
道って消えるんだ。
本堂前の庭園
草まみれになったパンツを払いながら、本堂前の庭園を歩く。お手入れ中のところ、失礼しました!
シャクナゲの花が開いていた。
良い季節だな。
参拝はこれにて終了。
永明寺 参拝とセットで観光するならば
山陰の小京都・津和野は見どころがいっぱい。レンタサイクルがおすすめです!徒歩は厳しいよ。
・食事処みのや
・太皷谷稲成神社
・津和野城跡
・乙女峠マリア聖堂
・鷲原八幡宮流鏑馬馬場
・森鴎外記念館
・殿町通り
おすすめグルメ!
食事処みのや
永明寺でお話しした女性におすすめしてもらう。津和野の名店みたい。津和野グルメをいただけます!
ふき飯
うずめ飯
中に具材が隠れているから、「うずめ」飯。
草だんご
しこたまうどん
■食事処みのや
島根県鹿足郡津和野町後田イ751
・Googleマップ
・食べログ
太皷谷稲成神社
千本鳥居がある神社。ぜひ、麓から登ってみて。
■太皷谷稲成神社
島根県鹿足郡津和野町後田409
・Googleマップ
津和野城跡
リフトで楽々、頂上へ。本丸跡からは、津和野の町を眺めることができます。
山城の魅力が爆発している!
本丸跡から見下ろす津和野の町。殿様気分!
■津和野町城跡観光リフト乗り場
島根県鹿足郡津和野町 後田イ477
・Googleマップ
乙女峠マリア聖堂
自転車をとめて、しばし山のぼり。登った先には信仰の空間。
■乙女峠マリア堂
島根県鹿足郡津和野町後田
・Googleマップ
鷲原八幡宮流鏑馬馬場
神社境内に、流鏑馬が行われるダートがあります。
■鷲原八幡宮流鏑馬馬場
島根県鹿足郡津和野町鷲原
・Googleマップ
森鴎外記念館
津和野の産んだ偉人・森鴎外の記念館。
勉強不足でたいして森鴎外のことを知らなかった。よって、ちんぷんかんぷん。
■森鴎外記念館
島根県鹿足郡津和野町町田イ238
・Googleマップ
・森鴎外旧宅・森鴎外記念館(津和野町サイト)
五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所
永明寺は、【第75番】。第八巻 山陰・山陽に掲載されています。
永明寺を参拝した旅の日記
永明寺とセットでの参拝がおすすめ
知っておきたい!曹洞宗の総本山
永明寺は曹洞宗。総本山は永平寺です。
寺めぐりするならば知っておきたい
百寺巡礼でオススメのお寺
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