那谷寺は・・・
○奇岩遊仙境の特異な景観がみどころ
○那谷寺の命名は花山法皇
○「おくのほそ道」の風景地
○加賀温泉郷とセット観光がおすすめ
2020年12月の参拝記。
クマ出没のため制限エリアが多く、ちょっぴり不完全燃焼でした。
那谷寺について
参拝前に知っておきたいこと
那谷寺はこんなお寺
奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)
奇岩の洞窟が祠になっており、仏像が安置されている。特異な景観は、那谷寺の一番の見どころ。
命名は花山法皇
歴史的には悲劇の法皇だけれど、寺巡りが趣味のコムギからしたら大スターである花山法皇。西国三十三所を始めたお方です。その花山法皇が「那谷寺」と命名。
西国三十三所の最初と最後から、一字ずつとったもので、
那智山青岸渡寺(一番札所)
谷汲山華厳寺(第三十三番札所)
寺
ほ、ほんまや!
「おくのほそ道」の風景地
芭蕉は、同行の曾良と別れ、小松に戻るときに那谷寺に立ち寄っている。歌も詠まれています。
2020年の冬、立入禁止エリア多し
理由はクマ出没の危険から。
参拝不可だったエリア:
・護摩堂
・白山神社
・稲荷社
2020年の冬、クマ出没ニュースをよく目にした。加賀温泉駅すぐのスーパーではクマが篭城した事件には驚いた。
自然智をうたい自然と共にあるこの那谷寺境内、そのぶんクマ出没リスクも高いのかな?
コロナのみならず、クマにも行動を制限されるとは。
クマが里に下りてくるのは食糧不足ときく。今後、立入不可が通常になってしまうのかしら。
五木寛之先生「百寺巡礼」
那谷寺は、【第13番】。第二巻 北陸 に掲載されています。
那谷寺の参拝記
訪問時期:2020年12月
山代温泉から出発
那谷寺への移動は、キャンバスを利用。
参拝当日は、山中温泉で「菊の湯」に入浴し、
海鮮釜飯を食べ、
山代温泉で「古総湯」に入浴したのち、那谷寺へ。
キャンバスは、加賀温泉郷エリアの乗り放題の観光バスです。
キャンバス公式ページへ
那谷寺に到着
拝観料は必要。クマ避け鈴の貸出もありました。
楼門
立派です。
境内へ。
敷地は広い。見どころもたくさん。所要時間は1時間は足りないと思う。
金堂華王殿
境内に入ってすぐの金堂華王殿へ。
書院&琉美園の入り口もこちらの内部から。内部には納経所や授与所もあります。御朱印の受付もすべてこちらです。
那谷寺の本堂は奥ですが、そちらでは書き置きしかいただけませんので,ご注意。
書院&琉美園
那谷寺の拝観料とは別途、200円必要。
金堂華王殿の授与所奥から入ります。最終受付時刻が早いので注意。コムギは夕方に到着したので、さきに琉美園を拝観。
書院
琉美園
飛び石の小道を進む。
視界が開けたら,庭園。すてき。
三尊石
自然石の岩面が3つに分かれていることから阿弥陀三尊にたとえられて「三尊石」と名付けられたとか。(看板情報)
狭いけれど,素敵なお庭。
おだやかな表情の仏様。
洞窟トンネル
出口は,一方通行の洞窟トンネルを。
トンネルを出ると、そこは金堂華王殿の内部だった。洞窟とつながっているのね。楽しませてくれるじゃないの。
普門閣・宝物館
2020年12月は閉館中。コロナウィルス感染拡大防止のためかな。
苔が美しい参道
金堂華王殿をでて、境内の奥へ。苔むしていて良い雰囲気。
美しい庭園
参道を抜けると庭園。池の浮島には社と鳥居がある。よく手入れされていて美しい。
奇岩遊仙境
那谷寺といえばコレ!奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)。
奇岩遊仙境は・・・
古き良き時代の浄土であり、金銀珠玉で飾られた極楽浄土をのぞむ生き方を虚しいと感じ、素朴な生きようを望む人々にとっての理想の世界。
ええっと、平泉をディスっているのかな?

”金銀珠玉で飾られた”中尊寺金色堂
岩には洞窟があり、祠として仏像が安置されている。
ちょっと遠くて見えないけれど。
五木寛之氏の著書の写真では、五木氏が奇岩に登って参拝している姿が掲載されていた。昔は一般人も登れたのかな。
中門
奇岩遊仙境エリアから、本殿へ向かうときにくぐる中門。
稲荷社
中門を出てすぐ、稲荷社への参道は立ち入り禁止。クマ出没だからか、たんに危険だからか。理由は不明ですが参拝できず。
大悲閣・本殿・拝殿
階段を登って向かう。
途中、窟にお地蔵さま。
本殿・拝殿。
舞台づくりの拝殿。
振り返った風景。遠くには、クマ問題で参拝できなかった護摩堂が見える。
胎内くぐり
本殿のご本尊は、千手観世音菩薩。胎内くぐりができます。
胎内くぐりは,生まれ変わり、すなわち”輪廻転生”を意味する神秘体験。写真撮影不可。観音様の胎内は、薄暗く、なおいっそう神秘的でした。
本殿を抜けて,大池へ。
紅葉茶寮が見えている。
大池
こちらが那谷寺境内の一番奥。人気がない。確かに、クマが出そう。
この広大な池を含めて「那谷寺」の境内。那谷寺は「自然智」をうたうお寺なのです。
三重塔
大池より,少し階段を登ると三重塔。大日如来を祀っている。
楓月橋(ふうげつきょう)
カクカク折れているのが特徴の楓月橋。
橋の上からは、奇岩遊仙境が見えます。
展望台
那谷寺境内を一望できるスポット。奇岩遊仙境もバッチリみえます。
立ち入り禁止の稲荷社への鳥居も見える。
上から見ると、より奇怪。霊験あらたかな気がしちゃう。
白山鎮守堂
展望台より階段を登ればすぐなのに、立ち入り禁止。
この展望台と、この鎮守堂は、その距離たった数メートル。
それだけの違いで、クマに遭遇確率がグッと高まるってこと? ビビる。

もうすぐそこなのに、ダメなの?
松尾芭蕉の句碑
ここ那谷寺は、おくのほそ道で句も詠まれた地。句碑がありました。
俳句のたしなみは持ち合わせておりませんが、この景観をみると、一句詠める才能が羨ましいなと感じる。感動を簡潔に十七文字にしたためる芭蕉は、やはり天才だ。
石山の 石より白し 秋の風
(おくのほそ道 那谷)
奇岩遊仙境が主題なのに、この奇景はスルーして石の白さを詠むとは。さすが、俳聖。
庚申塚(縁結び)
那谷寺の境内のなかではちょっと異色な、平たく言うとちょっと俗っぽさを感じる庚申塚。
ここ那谷寺では、いつしかこの神様を縁結びの神様として信仰してきたのだとか。
縁結びを謳うと、なーんか、俗っぽく感じちゃう。コムギが独身をこじらせているだけ?
若宮白山神社
那谷寺の奥にそびえる白山は山岳修行の場。その白山を信仰する「白山信仰」は、ここ那谷寺にも息づいている。
境内の中の若宮白山神社は、クマ出没注意のため立ち入り禁止。そこに、神社は見えているのに、入れない。
境内の中でも鬱蒼としたエリアではある。そんなに熊出没確率が高いのか。不安が煽られる!
護摩堂
拝観禁止の護摩堂への道。そこに見えているのに。無念。クマめ・・・。
金沢の風物詩「雪吊り」作業中
参拝したのは12月のはじめ。「雪吊り」作業の真っ最中。
「雪吊り」作業姿を眼にするのは初めて。職人さんが縄を縛っていく。
自身の体と同等以上に大きい木々に、円すい状に縄をかけていく。職人技を見ているのも楽しい。
御朱印
参拝の最後に、ふたたび金堂華王殿へ。御朱印をいただく。
本尊、大悲殿
オリジナル御朱印帳
那谷寺のオリジナル御朱印帳は、とても好み!淡いのに派手なピンク。なかなか見かけない色なので、ついつい買ってしまった。奇岩遊仙境も刺繍されています。
これは、「買い」です。
参拝終了。那谷寺を後にする。
キャンバスを待つ
参拝を終え、加賀温泉駅へのバス待ち。
門前の売店は、那谷寺の閉場を待たずに店じまいしていた。わーん。お腹がスイタヨ。
加賀温泉郷駅へ
キャンバスで、終点・加賀温泉駅へ移動。加賀温泉駅から大阪までは、約4時間の道のり。青春18切符で帰ります。
参拝を終えて
那谷寺は、なんといっても奇岩遊仙境が見ごたえあり。奇岩の洞窟を祠として、仏像が祀られている光景は、ちょっとほかにはありません。
クマ出没により立入禁止エリアが多く、参拝できないところが多かったのが心残り。でもそれは、
那谷寺が森のなかの自然を大切にしているお寺だからこそ。
那谷寺が大切にする「自然を通してその本源である宇宙を拝みながら、心の奥深くにしまいこまれている”自然智”をよびおこす空間」であるから。クマも出ちゃうのかもしれないな。
金銀珠玉で飾られた特別の極楽を虚しいと感ずる素朴な生きようを望む人々の理想の世界。那谷寺で体感してみることをおすすめします。
那谷寺の基本情報
自生山 那谷寺
なたでら
■ 宗派:真言宗
■ 所在地:石川県小松市那谷町ユ122
■ Googleマップ
■ 公式サイト:那谷寺
五木寛之先生「百寺巡礼」
那谷寺は、【第13番】。第二巻 北陸 に掲載されています。
那谷寺へのアクセス
公共交通機関で移動した、わたしの移動方法はこちらです。事前に最新情報を確認してくださいね。
行き:那谷寺へ
■ 加賀周遊バス キャン・バス
山まわりコース (7)那谷寺 下車すぐ
帰り:那谷寺からJR加賀温泉駅(終点)へ
■ 加賀周遊バス キャン・バス
山まわりコース (7)那谷寺 〜 (1)JR加賀温泉駅前 下車すぐ
この記事へのコメントはありません。