五島列島・久賀島。
久賀島に移住した潜伏キリシタンは、在来の仏教徒とともに農業や漁業を営みながら信仰を継承した。「五島崩れ」による悲しい歴史も残る島を行く。(久賀島巡礼路マップより)
福江港から世界遺産・旧五輪教会堂まで。
新天地への開拓移住の道を電動自転車で進みました。
自転車でめぐる久賀島5時間の旅日記。
久賀島について
二次離島、観光は計画的に
久賀島は二次離島。
福江島から船で移動。
世界遺産「旧五輪教会堂」
世界遺産指定の教会堂があります。
久賀島にいくまえに知っておきたいこと
島内には飲食店がない
料は持っていく島内には飲食店がなかった。持っていこう。
島内での移動手段:福江島で自転車を借りて持ち込むのがおすすめ
「困ったら歩けばいいや」と考えがちな私。しかし今回は「徒歩作戦」は厳しそう。
●徒歩での移動はシンドイ(往復5時間、坂道)
●フェリー便数すくない。乗り遅れたら大変
●現地の観光タクシーは台数に限りあり
そこでお勧めしたいのが、福江島で電動自転車をレンタルして久賀島へ持ち込むこと。
久賀島の観光:電動自転車をレンタル
福江フェリーターミナル内の五島市観光協会にてレンタルしました。
五島観光協会では、離島への自転車持ち出しOK。
五島市観光協会
福江港フェリーターミナル1階にあります。
予約不可、先着順。
8:30から営業とのことでしたが、それより早く窓口をあけてくださり、受付は5分前からスタート。早く到着しておいてよかった。
8台ある自転車は、9時前には貸し出し終了となっていた。ここで借りることができないと久賀島観光は「積む」ので、なんとしても借りる必要がある。
絶対に借りるには、
8:30より前には並んでおくのが確実!
久賀島への移動
久賀島観光のプラン。
①福江港→田ノ浦港(高速船シーガル)
②久賀島観光(約5時間)
③田の浦港→奥浦港(フェリーひさか)
④奥浦港から陸路で福江港へ
⑤福江港で自転車を返却
往路は「高速船シーガル」で、
復路は「フェリーひさか」で移動するプラン。
出発港と到着港も違います。
フェリーの出発時刻を考えると、これが一番効率良い。
久賀島観光
スタート
ちゃんぽんで朝食
福江港ちかくの蓬莱軒にて、朝ラーをいただく。
宝来軒
長崎県五島市東浜町1丁目9−15
Googleマップ 食べログ
8:25 自転車を借りる@五島市観光協会
8:30受付開始かと思いきや、フライング受付開始。早めにきてよかった。
9:10 福江港
高速船シーガルに乗り込む。自転車持込OK、別料金必要。原付バイク以上の持込はできない。
観光協会の貸し出し自転車、8台中7台が乗っていた。
みんな、自転車レンタル争奪戦に勝ち抜いた旅人たち。この船で出会った2組の旅行者と、後に寿司居酒屋「石松」や、龍観山展望台で再会。盛り上がりました。
ツアーのベテラン添乗員さんが、乗船しているみなに見所を教えてくれる。でも風の音が凄くうるさくて、ガイドさんの声が聞き取れない。名所がどこなのか確かめられず。
久賀島に近づいた。見えるのはカトリック 浜脇教会。
田の浦港に近づいた。
港っていうか、堤防ですね。
こんなにシンプルな停泊所は始めてみた。
9:30 田の浦港(久賀島)
スタート前だけれど、結論を。
行動時間は5時間、
電動自転車の充電はギリギリ。
電動なのになかなかキツイ行程だった。
久賀島は坂道が多く勾配もきつい。自転車は電動だけれど、「アシスト」程度にしか思えなかった。電動自転車といえど体力が要ります。
田の浦港待合所
待合所のなかにトイレがありました。
二次離島の久賀島ですが、トイレはスポットごとに用意されているので安心を。さすがユネスコ世界遺産指定だわ。ちゃんと整備されている。
乗ってきた高速船シーガルが帰っていく。
先に進む旅行者たち。
私も進まなきゃ!
浜脇教会(通過)
ひとつめのスポット、浜脇教会。白くて綺麗な建物。まずはメインを目指すのは旅の鉄則。浜脇協会へ寄るのは帰りにして通過。
外上平ってなんだろう?
景色も良いし、名所かな。
あとで気づきましたが、このふだは集落名を表している模様。
このあとも、続々と立て札が出現した。
もうバッテリー残量が90%!
良い天気の本日。のどかな道を進む。
市小木集落を通過。
東芝ワープロ・パソコンの看板。
東芝といい、ワープロといい、懐かしい単語がならぶ。
小学校がある。現役の小学校だ。
久賀集落を通過。
立派な郵便局がありました。
海に流れ込む湾沿いの道。
牢屋の窄(さこ)殉教地
久賀島の3つの観光スポットのひとつ。
ここではガイドづれの観光客のみなさんに出会う。
高速船で一緒になったプライベートツアーのガイドさんに呼ばれ、一緒にお話をうかがう。ありがとうございます。
墓碑に刻まれた殉教者・五輪氏は、歌手五輪まゆみ氏のご先祖さまだそう。
牢屋の窄殉教記念聖堂
教会堂のなかの床にテープで囲まれた場所。
このわずか6坪分のスペースに約200名のキリシタンが監禁されていたそう。
収容人数200名に対して殉教人数は42名。
こんなに過酷なのに、生き延びている人が多くいるということ。そのことが物語るのは、改宗させるのが目的だから拷問はするけれども殺さないということ。死なない程度にいたぶるってことか。むごい。
ふたたびルートにもどる
寄り道:大野大椿
看板をみつけたので寄り道。
人気が、さらにない。
イノシシの罠をみつける。
出るのでしょうか?
椿シーズンではない5月は、ただの林でした。
確かに、ふとい幹だ。巨大な椿の木。
屋根が崩落した建物。
椿は咲いていなかったけれど、桜みたいなお花を見つけた。
折紙展望台
分岐では教会堂より先に展望台をめざす。
充電があるうちに坂道をクリアしておきたい。
久賀島めぐりで一番の坂。
充電が、70%しかない。
まだ折り返し地点にも到着していないのに。不安だ。
展望台には誰もいなかった。
やったね、貸切だ。
登った甲斐あり、絶景が楽しめます。
ここで30分ほどノンビリ過ごす。
帰り道は、旧な下り坂。
バッテリーを節約できるぜ。
集落を通り過ぎる。
福見集落を通過。
五輪集落を通過。
五輪という名前がつくということは、教会堂はもうすぐだね。
海が見えてきた。
自転車をおいてここからは歩きます。
船で一緒、かつ電動チャリレンタル仲間たちとここで再会した。みなバッテリー残量に不安を抱えていることに、ちょっと安心。みなで節約を誓う。
自転車はここまで
あれ、ここまで自転車ですすめたの?
ここからは林の中を歩いて海まで下る道。
視線の奥には教会堂。
不思議な石積みをみつける。
ちょっと変わった積み上げ方だなあ。
海沿いに並ぶ二つの教会堂。すぐ近くに漁港もある。
海のど真ん前。
カトリック五輪教会
世界遺産の教会の手前にあるのは現役の教会堂。
旧五輪教会(世界遺産)
浜脇教会のある位置から移築された旧五輪教会。世界遺産指定です。
海ちかくの教会堂。
隠れて進行するには、船か徒歩数時間でしかアクセスできないこのような土地が最適だったのだろう。
写真撮影OK
現在は廃堂になっている旧五輪教会。そのため、五島列島の教会堂の中で、唯一内部写真撮影が許されています。
コウモリ天井こと、リブ・ヴォールト天井。
大きな開口部の窓。
外に出る。瓦葺きが和洋折衷なデザインな建物。
折り返し:港へ戻る
ここで折り返し、田の浦港まで戻ろう。
ここからは、ほぼ寄り道せずに爆走。
なんといっても、電動自転車のバッテリー切れが心配。
こんな坂道、押したくないもの。
折り紙展望台の分岐を通過。
良い天気だ。
バッテリー残量を気にして、平地通行時は電源を切る。
電池残量18%に!
持つのか?
浜脇教会
バッテリー残量は危ういけれど、時間はたっぷり余った。
行きに通過した田の浦港近くのカトリック浜脇教会に立ち寄る。
絵になる教会だな。
田ノ浦神社
港近くの神社。
時間があるから参拝するつもりだったけれど、樹木が茂って入れない。
入れるんだろうけれど、なんか痒そう。
外から参拝しました。
田の浦港に到着
それでも、早く着いちゃった。
フェリーを待つあいだ、観光協会で自転車を借りて久賀島を同じ日に来た2組の旅人とおしゃべり。みなバッテリー切れは免れた。ひとりだけたっぷり残っている猛者がいた。
フェリーひさかが港入り。ピンクがド派手で可愛い。
久賀島から福江島へ
復路は、往路とちがう港・奥浦港いきのフェリーひさかで戻ります。
たくさん積まれた自転車。
船員のかたが、やっぱりゴールデンウィークは自転車が多いなあと感心していた。
久賀島でよくすれ違ったヤマト運輸の配達車。車ごと移動しているんだ。そりゃ「離島別料金」になるよね。
奥浦港(福江島)に到着
無事に下船。
これで久賀島観光はおわり。
おまけ:カトリック堂崎天主堂へ
奥浦港までやってきたから、ちょっと先にあるカトリック堂崎天主堂へ向かいます。電動自転車の返却時間には、まだ余裕があるもんね。バッテリー残量は危うい。
カトリック堂崎天主堂
博物館も併設した見応えのある教会堂でした。
福江港へ。
自転車返却時間と、バッテリー残量との戦いはつづく。
16:25 福江港フェリーターミナル
自転車を返却
返却したのは返却時間の5分前。8台のうち最終返却でした。
バッテリー残量は、9%。もっとハイパワーにできたなあ。
久賀島
新天地への開拓移住の道を行こう
久賀島は訪れるまでに調べるのが大変だった。
●久賀島へのフェリー便も少ない。
●予約不可につき自転車を確保できるのか当日借りるまで不安
●現地に着いたら時間内に戻ってこれるか不安
●バッテリー残量が不安
そんな不安を抱えながら、きつい坂道をヨッコイショとのぼる。最後にたどり着いた旧五輪教会堂の海に佇む姿は美しく、感動的だった。徒歩ではなくて自転車だけれど、そして電動だけれど、巡礼路をあるいたであろうキリシタンの信仰のふかさに、少し触れることができたような気がした。
手配は面倒で不安が残るし、
久賀島の道は坂だらけできついけれど、
それでもぜひ訪れるべき、五島列島を代表する名所だと思います。
おしまい。
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