2021年春、富山県の瑞龍寺の参拝記録。
瑞龍寺は、広大で荘厳な伽藍を擁するお寺でした。
瑞龍寺について
■名称:高岡山 瑞龍寺 (ずいりゅうじ)
■所在地:富山県高岡市関本町35
■宗派:曹洞宗
■国宝高岡山瑞龍寺公式ホームページ | 国宝の七堂伽藍
瑞龍寺はこんなお寺
加賀藩・前田家ゆかりのお寺
江戸時代の外様の夕雄藩・加賀藩。
瑞龍寺は、前田利長公の菩提寺として、利長公の弟・利常により建立。
徳川家康に翻弄され続けた前田利長。瑞龍寺は、徳川の日光東照宮にさりげなく対抗しているとも言われる。
富山県ただひとつの国宝建築
瑞龍寺の仏殿、法堂、山門は、近世禅宗様建築の代表作として国宝指定されている。富山県でたったひとつの国宝建築。
伽藍瑞龍規矩大乗
その整然とした荘厳な大伽藍は、「伽藍瑞龍規矩大乗」と称されている。
伽藍瑞龍→伽藍の素晴らしさは瑞龍寺
規矩大乗→規矩(規律が厳しいの)は大乗寺
名工・山上善右衛門嘉広の建築
瑞龍寺は、加賀藩お抱えの名工・山上善右衛門嘉広の建築したお寺。
山上善右衛門嘉広は、那谷寺,妙成寺なども建築。
百寺巡礼 第13番 那谷寺
百寺巡礼 第12番 妙成寺
トイレの神様がいる
トイレの神様・烏蒭沙魔明王に会える。
烏蒭沙魔明王(うすさまみょうおう)
火焔をもって疫病や災厄を焼き払うことから、不浄なものを焼き払う、トイレの神様として有名
ここ瑞龍寺には、烏蒭沙魔明王としては最古最大の立像が安置されています。
瑞龍寺へ
訪問時期:2021年3月
瑞龍寺へのアクセス
・JR高岡駅南口より徒歩10分
高岡駅南口は新しく綺麗だけれど、コンビニひとつないほうのロータリーです。
瑞泉寺からスタート
第16番札所の瑞泉寺参拝後に瑞龍寺へ。
瑞泉寺も、高岡駅からバスでアクセスできるのです。
▼瑞泉寺
瑞泉寺口バス停
瑞泉寺参拝後、バス乗車。
■加越能バス 小牧線(高岡駅前行)
・瑞泉寺前-高岡駅南口 ¥780
瑞龍寺口で下車
瑞泉寺からは、高岡駅まで戻らずに、ひとつ手前の「瑞龍寺口」でおります。
腹ごしらえ!
富山ブラックを食す
瑞龍寺参拝まえに、富山のご当地ラーメン、富山ブラックをいただく。しょっぱい。
人気店だった。瑞龍寺からは徒歩5分程度。
■ラーメン大長
富山県高岡市鐘紡町5-40
・Googleマップ
・食べログ
田んぼを歩く
ラーメン店より徒歩5分ほど。田んぼのわき道から瑞龍寺へ。
瑞龍寺の参拝記
総門
伽藍配置図をチェック
総門横には案内板あり。伽藍配置を人体で表現。
一直線に、総門ー山門ー仏堂ー法堂がならぶ。
その周りを回廊が囲む。
この規則的で整然とした建築物が、凛とした雰囲気を醸し出している。
総門をくぐると、まっすぐな道。伽藍のなかには何もなく、すっきり。
遠近感覚がおかしくなります。
広い敷地に大きい建築物。
近いのか、遠いのか。
正解は、「大きくて遠い」。
見えているのに、なかなか到着しません。
山門
山門は、瑞龍寺の国宝のひとつ。
どどん。荘厳です。
扁額
山号の高岡山の文字。
仁王像
仁王様のお顔立ちも凛々しい。
回廊
大伽藍を囲む回廊。長いな。周囲約300mですって。
ひとまわりするだけでも大変。
階段は入れず。
なかの庭からみた回廊。
長い。
フレームに収まりきらない。
境内は広く、何もない。
さっぱりとした境内。
大庫裏
回廊を歩くと、大庫裏にさしかかる。
庫裏=台所
瑞龍寺の庫裏は「大」がつくだけあって、かなり広い台所。天井も高い。瑞龍寺は大伽藍だものね。そりゃ台所も大きくて当然か。
時刻を伝える雲版が吊るされている。
この庫裏は、廃仏毀釈の際に、千光寺へ売却されたのだそう。復元修理の際に返却されたんだって。売却して買い手がつくほどの立派な台所だってことね。
台所の横には、韋駄天様。
仏殿
仏様三尊が安置されている仏殿。
横からみた法堂。
こちらも国宝、国宝の荘厳さは十分。
鉛瓦葺きの屋根
珍しい。白くて大きな屋根は、鉛瓦葺き。鉛って、重そう。
鉛瓦葺きの屋根は、ここ瑞龍寺の他には金沢城石川門しかないんだって。鉛が原材料でも、実際には瓦葺きより軽量らしい。へーえ。
屋根に鉛を用いた理由は、諸説あるらしい。
・ふつうの瓦では積雪に耐えられない
・南蛮様式のデザインを取り入れた
・有事の際は溶かして鉄砲の弾とするため
真実は不明。
内部は梁や垂木が美しい
外観こそ渋い仏殿ですが、堂内は高く、美しく、迫力がある。
彫刻と色彩で装飾した、徳川家の日光東照宮。
木目や構造の美しさで、前田家の瑞龍寺は、さりげなく対抗たのだとか。
中央には釈迦牟尼仏、脇には普賢菩薩、文殊菩薩の三尊。
仏殿から見た山門。
鐘がかかっていた。
法堂
扁額:瑞龍寺
法堂の内陣は、金箔が貼られていてピカピカ。作りはシンプルなのに。ギャップに驚かされる。
写真撮影は不可です。
仏壇:前田利長公の位牌
ここ瑞龍寺は前田利長公の菩提寺。法堂の中央には利長公の位牌。
百花図
天井画は、狩野永徳の孫、安信によるもの。だいぶん剥げかかっていた。
烏枢沙摩明王
不浄を燃やす明王、烏蒭沙魔明王立像が手前に出てらした。コロナ禍のため、とくべつに御簾から御前に出られているのだとか。
トイレの神様で有名な烏蒭沙魔明王は、厄病なども燃やし尽くす明王でもある。コロナを燃やし尽くしてくださいな。
烏枢沙摩明王の横にいる動物は、イノシシの姿の亥子神だって。コロンとして愛くるしいお姿。
ここ瑞龍寺は、映画『蜩ノ記』の舞台になったそう。
石廟
南側回廊の裏手へ。
熊笹が生い茂っているわ。
5つの石廟がならぶ。
- 前田利長
- 前田利家
- 織田信長、同室正覚院
- 織田信忠
石廟。
全面に仏様が浮き彫りされている。
なんとも、安らかなお顔だこと。
僧堂(禅堂)
ここ瑞龍寺は曹洞宗寺院。禅の修行するところが、ここ禅堂。
一般拝観者は中に入れません。
のぞくのみ。
すっきりと整理整頓されていている!
魚板が吊るされていた。
座禅の合図に鳴らすのかしら。
浄頭跡に烏枢沙摩明王がいてた
浄頭跡(ちんじゅうあと)にはトイレの神様、烏枢沙摩明王様が。レプリカだけど。
浄頭ってなんだろう?
ひらたくいえば、かつてトイレだったところ。だからトイレの神様がいてたのですね。
浄頭(ちんじゅ)
禅寺でのトイレ掃除係のこと
おまけ:外のトイレにも神様はいた
参拝を終え、外のトイレを利用したら。
入り口に、烏枢沙摩明王が祀られていた。
瑞龍寺号
境内外には瑞龍寺のバスがありました。
稼働しているのかは謎。
ドラえもんが運転手。
これにて参拝終了。
瑞龍寺参拝後の観光
瑞龍寺参拝後にまわったところはこちら。
・吉宗のカレーうどん
・ドラえもんトラムに乗る
・藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
・高岡古城公園
・高岡大仏
吉宗のカレーうどん
五木寛之先生も絶賛したという、吉宗のカレーうどん。ボリューム満点。
ふつうのお家のような外観でした。店内は広かった。ほぼ皆様、カレーうどんを食べていた。
■吉宗
富山県高岡市宝町7-4
・Googleマップ
・食べログ
ドラえもんトラムに乗る
高岡はドラえもんの作者のお膝元。トラム・万葉線にはドラえもんトラムも走ります。
出会えたらラッキー!
どうしても乗りたいならば、事前に運行時刻をチェックしておこう。
藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
藤子・F・不二雄先生の展示館。高岡市美術館内にあります。
直筆原稿や、デビュー前の作品などを鑑賞できて楽しかった。
高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
富山県高岡市中川1丁目1-30 高岡市美術館
・Googleマップ
・高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー(公式)
高岡古城公園
■高岡古城公園
・Googleマップ
高岡大仏
日本三大大仏に数えられる高岡大仏。正直なところ、しょぼくてガッカリでしたが、街中に鎮座するお姿は、なんともシュール。これはこれで良いのかもしれない。
■高岡大佛
富山県高岡市大手町11-29
・Googleマップ
おしまい。
五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所
瑞龍寺は、【第15番】。第二巻 北陸 に掲載されています。
瑞龍寺を参拝した旅の日記
瑞龍寺とセットでの参拝がおすすめ
瑞泉寺
知っておきたい!真言宗の総本山
瑞龍寺は曹洞宗。総本山は永平寺です。
寺めぐりするならば知っておきたい
百寺巡礼でオススメのお寺
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