百寺巡礼

【百寺巡礼】第19番 明通寺 “ふたつの国宝建築を擁する鎮魂の寺”

 

明通寺の国宝2つ

明通寺は・・・

坂上田村麻呂が創建
本堂と三重塔は福井県ただ2つの国宝

明通寺の参拝は、

JR東小浜駅から電動自転車で移動
田園風景のサイクリングが爽快

あわせて観光するなら

第20番の神宮寺(自転車25分)
若狭彦神社(若狭国一ノ宮)
豪徳寺
若狭湾観光(JR小浜駅より)

2020年9月の参拝記。
ご覧ください。

明通寺について

■名称:棡山明通寺(ゆずりざん みょうつうじ)
■宗派:
真言宗御室派
■所在地:
福井県小浜市神宮寺30-4
■公式サイト:
若狭国宝 – 棡山 明通寺

明通寺はこんなお寺

坂上田村麻呂が創建

坂上田村麻呂
征夷大将軍を務め、東北の蝦夷と戦い平定。武神や軍神として信仰の対象となる。

坂上田村麻呂

坂上田村麻呂

明通寺は坂上田村麻呂が創建したといわれている。蝦夷討伐の際の戦死者の鎮魂をこめて建立

その武勲よりのちに信仰の対象となった坂上田村麻呂を崇敬し、武人の信仰を集めるお寺でもあります

坂上田村麻呂といえば、蝦夷のカリスマ、アテルイが浮かぶ。坂上田村麻呂も彼を斬らせてしまったことを悔いていたのだとか。

アテルイ悪路王首像

阿弖流為

福井県だた2つの国宝を擁する

本堂と三重塔は、福井県ただ2つの国宝建築物。その、たった2つの国宝のどちらともがここ、明通寺にある。

この静かな山奥に重厚な建築物がたたずむさまは圧巻。

明通寺の国宝ふたつ

五木寛之先生「百寺巡礼」

明通寺は、【第19番】。第二巻 北陸 に掲載されています。

 

明通寺への移動&参拝前観光

訪問時期:2020年9月

今回のルート

・大阪~京都(JR京都線)
・京都~近江今津(湖西線永原行)
・近江今津駅前~遠敷(バス)
・遠敷~JR東小浜駅(徒歩)
※遠敷で下車したのは、若狭彦神社参拝のため。バスはJR東小浜駅まで行きますのでそのまま乗車してもOK。
・JR東小浜駅よりレンタサイクルで移動

JR大阪駅出発

始発で出発。

早朝のJR大阪駅ホーム

JR京都駅

JR湖西線(永原行)に乗換え。

早朝のJR京都駅ホーム

近江今津駅

何もない駅だった。

JR近江今津駅

路線バスに乗り換え。JR東小浜駅もこのバスでOK。

今回は早朝に到着するため、余った時間で観光すべく、JR東小浜駅まで行かずに途中の遠敷(おにゅう)バス停で下車。

遠敷バス停

遠敷で下車

遠敷は「おにゅう」と発音する。難読にもほどがある。バスの停留所アナウンスで聞き逃しそうになっちゃった。

遠敷バス停の標識

若狭彦神社

若狭國一之宮。レンタサイクルの営業開始時刻まで1時間ほど。JR東小浜駅の手前の遠敷で下車し、歩いて参拝。

若狭彦神社の鳥居

9月の若狭の朝、境内はキラキラ。

若狭彦神社の境内

明通寺の参拝記

■移動方法
JR小浜線,東小浜駅より自転車で40分

JR東小浜駅よりスタート

東小浜駅にて電動自転車をレンタルできます。営業開始時刻の9時になるやいなや申込み。

JR東小浜駅

■サイクリングセンター(JR東小浜駅構内)
電動アシスト自転車料金:
4時間810円、8時間1,500円
TEL:0770-56-1132

明通寺へ向けて出発です。

明通寺への田舎道

明通寺まで自転車で40分

自転車で40分はきつく感じるかもしれませんが、実際はそんなことありません。

電動自転車でラク
写真撮影のため寄り道多し

電動自転車で田舎道をぶっ飛ばすのは、とても爽快。

明通寺への田舎道と自転車

9月の空は快晴。

自転車と田舎道と田んぼ

田んぼはキラキラ、空気も美味しい。電動だからとってもラク。

明通寺への田舎道と標識 明通寺への田舎道と道路 明通寺への田舎道とバス停

ようやく自動販売機に出会う

自動販売機を発見。喉が渇いていたの。

明通寺への道で見つけた自動販売機

電動自転車だから大して漕いでいないくせに、喉はカラカラだ。JR東小浜駅でドリンクを買っておいたほうが賢明です。

薬師如来の塔

お、明通寺に近づいてきたかな。薬師如来は、明通寺のご本尊。

薬師如来の石塔

明通寺入口

明通寺の入り口付近

明通寺の案内板

自転車専用置場もありました。しまった、これよりもかなり手前で自転車を止めてしまった。

明通寺前の自転車置き場

山祇神社

伽藍への石段を登る手前に、山祇神社(やまづみじんじゃ)がありました。

山祇神社(やまづみじんじゃ)と赤い橋

山門への石段

高く林立する杉の木に、ただならぬ気配を感じます。

明通寺の石段と山門

杉木立に囲まれた石段。なかなかの高さ。

明通寺の石段と山門

段数は少ないけれど、一段あたりの高さが高く、なかなかキツイ。

山門

重厚なつくりの三門。

明通寺の山門

仁王様もいてた。

明通寺の山門の仁王像

明通寺の山門の仁王像

山門を上がると、明るい緑が広がる。

鐘楼

山門をくぐるとすぐ、鐘楼がありました。

明通寺の鐘楼

寺務所

拝観料を納めます。御朱印もここで頂きます。御朱印はお参り後に。

ユズリギ

参道にあるユズリの木は、明通寺の大切な木。必見です。

明通寺のユズリギ

ユズリギから掘り出された三体の仏

ここ明通寺のご本尊薬師如来とその脇侍二体は、このユズリギから掘り出された謂われがあるのだそう。

ユズリギ=譲り木

葉が入れ替わる特性から、新しいものに「譲る」が転じた「譲り木」が、ユズリギの由来だとか。

山号の由来

明通寺の山号である「棡山(ゆずりざん)」は、このユズリギからとられたもの。というわけで、ユズリギは必見です。

ユズリギの葉

石畳の道を歩いて、境内奥へ進みます。

明通寺の本堂と石段

本堂(薬師堂)

階段をのぼると、重厚感のある建築物。国宝のひとつ。

明通寺の本堂

明通寺の本堂

快晴の若狭は明るいけれど、本堂は薄暗くて神秘的。個人的には”密教寺院”らしさを感じるポイント。

明通寺の寺宝

本堂は開帳されいて、ご本尊の薬師如来と諸仏を拝むことができる。以前は33年に一度だけ開帳する秘仏だったとか。良い時代だ。

明通寺の本堂内陣

珍しい布陣をしく薬師如来

明通寺のご本尊の薬師如来。本尊が薬師如来の場合、”脇をお守りする”脇侍は、月光菩薩&日光菩薩が定番。ですが、ここ明通寺では違っていた。

明通寺の布陣
本尊薬師如来
+深沙大将
+降三世明王

本尊薬師如来

明通寺の本尊薬師如来

深沙大将(国宝)

明通寺の深沙大将

降三世明王(国宝)

降三世明王のお顔立ちは、ちょっとファンキーに思える。

明通寺の降三世明王

彦火火出見尊絵巻

彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)とは
古事記に登場する「海幸彦山幸彦」の弟・山幸彦のこと。のちに彦火火出見尊となる。彦火火出見尊は、近くの若狭彦神社の祭神でもあります。

絵巻では、若狭彦神社の祭神である彦火火出見尊が、若狭姫神社の祭神となる海神の娘と結ばれるまでの物語を絵巻にしたもの。こ明通寺で保管されている。本堂を過ぎ、短い階段を登って、三重塔へ。

弁天堂

明通寺の弁天堂

三重塔

明通寺のふたつめの国宝である、三重塔。境内の一番高い場所にあります。

明通寺の三重塔と参道

参拝時は、内部が公開されていた。内部は極彩色の鮮やかな壁。重厚な三重塔の内にこんな明るい世界があるとは。内部の仏様は撮影不可。

明通寺の三重塔の扉

墓所

三重塔の裏に道があったので、進んでみる。

明通寺の墓所への道

こちらからの三重塔は良い眺め。

明通寺の三重塔

更に奥に進むと、墓所がありました。静かな場所です。

明通寺の墓所

明通寺の三重塔の奥の墓所

紅白だるま

明通寺の境内には、紅白のだるまさんがゴロゴロ。

明通寺の紅白だるま

まるっとしたフォルムに、和みます。これは、胎内におみくじが入った木製のだるま。300円。

明通寺の紅白だるま

三重塔の”結び所”

三重塔の形の結び所に結ばれたおみくじ。この結び所、特注なのかな。

三重塔の結び所

寺務所

お帰りまえに寺務所に立ち寄り、御朱印をいただきます。

御朱印

庭園

御朱印の記帳を待っているあいだに、庭園を散策。よく手入れされた林泉回遊式庭園です。

明通寺の庭園と道

鯉のエサやり

池には、よく太った大きな鯉がいてた。鯉にエサやりできます。

太った鯉

ものすごく食いついてきた。エサ代100円でお殿様気分になれます。くるしゅうない。

エサに群がる鯉

勝手門

帰りは、来た道を戻らず、勝手門をくぐる。お庭を通り駐車場まで出る道です。

明通寺の勝手門

参拝終了

これにて参拝終了。

明通寺 参拝後の観光

ふたたび自転車に乗る。このあと、第20番 神宮寺へ参拝。明通寺から神宮寺までは、自転車で25分でした。

若狭の田んぼと自転車

霊応山神宮寺

神宮寺は、仏と神が同居する、神仏習合のなかでもとりわけ珍しいお寺でした。セットでの参拝がお勧めです。

若狭神宮寺の本堂と庭

参拝を終えて

こんな山奥にお寺が!

深山幽谷の地にたたずむ国宝の本堂と三重塔は圧巻。

鎮魂のために建てられた深山幽谷の地に佇む明通寺。みごたえ十分なお寺でした。

五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所

明通寺は、【第19番】。第二巻 北陸 に掲載されています。

 

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