百寺巡礼

【百寺巡礼】第12番 妙成寺 “幾多の兵火を免れた前田家ゆかりの七堂伽藍”

 

日像上人の像と五重の塔

2021年春、富山県の妙成寺の参拝記録。

妙成寺は、七堂伽藍は重要文化財指定の建物ばかり。国宝指定されないのが不思議なお寺だった。

妙成寺について

■名称:金栄山 妙成寺 (みょうじょうじ)
■所在地:
石川県羽咋市滝谷町ヨ1
■宗派:日蓮宗
■公式サイト:妙成寺/石川・能登

妙成寺はこんなお寺

日蓮宗の北陸本山

立派な七堂伽藍です。幾多の兵火を免れた。日蓮宗の伽藍で全盛期の姿を残すのはこの妙成寺のみ。

十の建築物は重要文化財指定。国宝指定されていないのが不思議だ。

妙成寺の上から見た鐘楼

山上善右衛門嘉広の建築

建築は、加賀藩おかかえの大工・山上善右衛門嘉広による。山上善右衛門嘉広は、那谷寺や瑞龍寺も建てている。

▼百寺巡礼 第13番 那谷寺
▼百寺巡礼 第15番 瑞龍寺
前田利常が生母のために建立

加賀三代藩主・前田利常が生母のために建立。妙成寺には、生母のお墓「寿福院の墓」があります。

寿福院の墓

要塞の役割も兼ねる

優美な五重塔。等からは海も望めるそう。

有事の際は伽藍は要塞となり、五重塔は「物見の塔」としての役目を果たしたのだとか。

書院からながめる五重塔は必見です。

妙成寺の五重の塔

妙成寺へのアクセス

訪問時期:2021年春

今回の移動手段

JR羽咋駅前からバス乗車、下車徒歩15分。(寄り道なしの場合)

ただし、コムギは降りるバス停を間違えました。
どうにかなったけどね。

妙成寺の参拝記録

JR羽咋駅からスタート

羽咋はUFOの町。駅前ロータリーもUFO推し。

羽咋駅前のUFOオブジェ

バスで移動

北鉄能登バスで、氣多大社を経由し妙成寺を目指す

バス車内

■北鉄能登バス 富来線 富来行
・羽咋駅前~一の宮 ¥250
■北鉄能登バス 富来線 富来行
・一の宮~妙成寺

寄り道:
氣多大社

バスを「一の宮」にて途中下車。能登國一之宮、氣多大社へ参拝です。

気多大社のしめ縄

原生林のまま手を加えられていない「いらずの森」が有名。
特別参拝ではいることができましたが、初穂料¥3,000だったので、お財布と相談のうえ、あきらめた。

氣多大社入らずの森

「氣」の御守は、ちょっと手にしたくなるデザイン。

氣の御守

一宮バス停

氣多大社の参拝を終え、ふたたびバスに乗る。来たときと同じ路線バス。

一宮バス停

ツクシが生えていた。

つくし

本成寺口で下車(まちがい)

「本成寺口」で降りちゃった。「妙成寺口」で下車するはずだったのに。ややこしいねん!妙成寺に近いバス停は「妙成寺口」ですよ。本成寺より先のバス停です。

本成寺口バス停

気を取り直して歩いて向かう。時間はたっぷりあるし、良いお天気だし、まあいっか。

本成寺口石碑

うん、妙成寺ではないですね

お寺までは徒歩25分。
間違ったけれど、正規ルートと10分しか変わらず。助かった。

柴垣ところ塚古墳

通りがかった古墳。とりあえず寄ってみる。

柴垣ところ塚古墳の看板

まあ、古墳なんて「ただのコンモリとした土の山」です。

古墳

田んぼのなかを歩く

田んぼ道を歩く。こういうところ、大好き!

まっすぐの道。

田んぼと一本道

見渡す限り、たんぼ。

田んぼ

この花は、なあに?

黄色い花

遠くに見えている塔は、妙成寺だな?

田園風景の中に五重の塔をみつけて興奮。

田んぼから望む妙成寺の五重塔

イタチがいた。めっちゃこちらの様子をうかがっているけれど、写真も撮らせてくれない警戒ぶり。

イタチ

妙成寺が近づくと、寺内町らしさが感じられる街並みに。

玉ねぎが天日干しされていた。

玉ねぎの天日干し

妙成寺に到着

妙成寺に到着。

妙成寺の入り口

駐車場もある。

妙成寺

お茶屋さんあり

2軒のお茶屋さんがありました。

妙成寺門前のお茶屋

寺務所

寺務所にて拝観料を納めます。御朱印もこちら。

妙成寺の寺務所

拝観料:500円

ご朱印帳の記帳をお願いする場合は事前に預けておく。

参拝順序に従うべし

見どころの多い妙成寺。案内マップが推奨している参拝経路に従って巡るとムダがありません。まずは「さざれ石」からスタート。

妙成寺案内図

さざれ石

わが国の国歌でも歌われている、さざれ石。庭園に鎮座していた。

さざれ石

巌となりて、

さざれ石

苔もむしている。

苔のむしたさざれ石

こちらのさざれ石は、国家発祥の地、岐阜県揖斐郡の石なんだとか。なぜここ、奥能登の妙成寺にあるのかしら。

浄行堂

水掛地蔵が安置されていた。こちらの手水鉢で手を洗ってから参拝。

浄行堂

お題目が掲げられていた。妙成寺は日蓮宗のお寺。

浄行堂内のお題目

石段を登って仁王門へ。

石段と二王門

二王門

妙成寺の二王門

”二王”

妙成寺は「仁王」でなく「二王」と記す。伽藍の守護神、二王から。

妙成寺の阿形像

通常の仁王門と、阿形と吽形が逆に配置されている。

妙成寺の吽形像

扁額

赤い文字の扁額は、加賀藩書家の佐々木志津摩の筆によるもの。

妙成寺二王門の扁額

二王門をくぐる。がらんと広い。

妙成寺の境内

日像上人の像

妙成寺の開基・日像上人。

日像上人の像

さて、ここで、ふたつの石段。

妙成寺の石段ふたつ

ついつい五重の塔に惹かれてしまう気持ちを抑え、案内ルートに従い、左側の階段へ。

石段

開山堂

階段を上ると開山堂。妙成寺の開基・日像上人の石碑を祀るお堂。

妙成寺の開山堂

経堂

妙成寺の経堂

五重塔

優美な五重塔。妙成寺のシンボル!

妙成寺の五重の塔

妙成寺の境内でもいちばん高いところに建立されている。要塞の役目も果たした妙成寺の、物見の塔でもある。

塔からは日本海が見えるんだって。登ってみたいな。

妙成寺の五重の塔

ひさしの下の組み木が整然としていて感嘆する。老朽化が気になるところ。

妙成寺の五重の塔の屋根

この五重の塔は境内のどこからでも見える。そしてそれが画になる。

妙成寺五重の塔

西村屋忠兵衛の墓

ひときわ目立つ、立派なお墓があるな。北前船の豪商・西村屋忠兵衛の墓。

この墓の規模からして、ものすごい豪商だったのだろうと推測。ものすごい大金を寄進したのだろうな。

北前船の豪商西村屋忠兵衛の墓

寿福院の墓

寿福院の墓と階段

寿福院(じゅふくいん)
加賀三代藩主・前田利常の生母。

妙成寺は、お母様のために建てられたお寺。いちだんと立派なお墓。

寿福院の墓

可愛らしいお花が手向けられていた。

手向けられたお花

お墓ゾーンを通過

ハート型を背にした仏さま。ご夫婦のお墓でしょうか。

つがいの墓標

お墓でホッコリとした気持ちになるなんて、なかなかないこと。

妙成寺の墓地

墓地ゾーンを歩き、丈六堂へ。

丈六堂(釈迦堂)

丈六堂

丈六堂は背の高いお堂。

丈六堂

堂内。

丈六堂の内部

釈迦如来像

丈六の由来は、釈迦如来像の高さが丈六であるから。5メートルほどの金色のお釈迦様。

丈六堂の釈迦如来像

お釈迦様供養の幡がありました。

お釈迦様供養の幡

幡には、願い事を書くんですって。

お釈迦様供養の幡

閻魔堂

丈六堂の脇に、ひっそりと佇むお堂。

閻魔堂

閻魔様がいらっしゃった。

閻魔堂内の閻魔様

おみくじ掛けが「雪つり」仕様!さすが石川県。

おみくじ

三十番神堂

北野天満宮より移築された社殿。

前田利常が、大坂夏の陣出陣前に祈祷をしたのだとか。

妙成寺三十番神堂・拝殿

内部入場不可。拝殿より拝むのみ。

妙成寺の三十番神堂・拝殿

日本の神三十柱を祀る。
拝殿内には、三十の神の一覧図がありました。遠くてまったく見えないわよ。

三十番神堂の神様

記念植樹

大河ドラマ「利家とまつ」放映記念の植樹。

植えられたのは、前田家18代当主・前田利祐氏。時代が時代ならば、お殿様だってことですね。

前田家18代当主・前田利祐氏のお手植え梅の木

木の幹から、ひょっこり咲いてしまった梅の花。

木から咲いた梅の花

ちょうど桜の季節。桜も咲いていた。

桜の枝

三光堂

鎮護国家を祈るお堂。

妙成寺の三光堂

三光:日光、月光、明星神のこと。

格子から拝観。

妙成寺の三光堂内の仏

鬼瓦

屋根の上の鬼瓦にも、ご注目。

妙成寺三光堂の鬼瓦

本堂

妙成寺の本堂

「妙成寺」の扁額は赤くて太い。文字というより絵画的。

妙成寺本堂の扁額

お題目の扁額も。

妙成寺本堂のお題目

仏様。

妙成寺本堂の仏

「西座」「東座」の看板が。これは何だろう。

妙成寺本堂の西座の文字

本堂側から見た、妙成寺の境内。整然としている。

妙成寺本堂から見た境内

祖師堂

宗祖である日蓮を祀る。

妙成寺祖師堂

天女の彫刻が施されていた。

妙成寺祖師堂に彫られた天女 妙成寺祖師堂に彫られた天女

鐘楼

祖師堂から通路を歩いて鐘楼へ。

通路

通路から見た本堂。梅が綺麗だな。

妙成寺本堂

鐘楼は見上げるのみ。

妙成寺鐘楼

通路の階段を下って、庭園へ。

階段

雨の日も大丈夫ですね。

妙成寺通路

庭園・書院

妙成寺庭園入り口

工事中のためなのか書院は入場不可

妙成寺庭園と書院

書院の雨戸は閉まっていた。

妙成寺書院

書院の縁側から庭園を眺める。ここ書院より眺める五重塔が絶景なのです。

妙成寺書院から見た庭園

は”物見の塔”である五重塔から、書院へ、合図を送れるよう、この位置関係なのだとか。

妙成寺書院と五重の塔

客殿

参拝客は入場禁止。

妙成寺客殿

目の前には、謎の日時計が。スペイン製。
時間が正確なのかどうかはよくわからなかった。

妙成寺の日時計

庫裏

内部見学可能。実際に使用されているようで、生活を感じたため撮影はせず。

妙成寺庫裏

これにて一巡したかな。
事務所のまえには、石庭がありました。

妙成寺の石庭

参拝終了後
蕎麦&羽咋駅へ戻る

参拝を終えたのはちょうどお昼どき。
さきほど通りかかったお蕎麦やさんへ急ぐ。

そば処 浄楽

門前の蕎麦屋で石挽き蕎麦を食べる

妙成寺の門前にあるお蕎麦やさん「そば処 浄楽」。石挽き蕎麦。

石挽き蕎麦

蕎麦のみならず山菜のてんぷら、そば豆腐なども美味しい。いろいろ食べることが出来る「浄楽セット¥1,850」を注文して正解だ。

そば処 浄楽ランチ

立派なデザートもセットに含む。

桜羊羹

囲炉裏のお席もあります。
おすすめのお店。妙成寺参拝寺にはぜひ、どうぞ。

浄楽の囲炉裏

■そば処 浄楽
石川県羽咋市滝谷町ロ51
Googleマップ
食べログ

バスまでの時間つぶし

なんにもない、妙成寺門前。田んぼの間を歩いてぷらぷら。

傾斜のきつい道路

晴天でよかったわ、まったく。

七面大明神の入り口

コミュニティバスでJR羽咋駅へ

帰りは、妙善寺門前すぐの「滝谷町会館」前より出ているコミュニティバスに乗ってJR羽咋駅へ。

滝谷町会館前のバス停

路線バスよりも歩く時間はほぼありませんが、本数がものすごく少ない。

■市内循環バス るんるんバス
・滝谷口〜羽咋駅前 ¥100
※ 毎日2往復

ミュニティバス・るんるんバス

JR羽咋駅に到着

るんるんバス

妙成寺参拝とセットで観光したい

妙成寺は羽咋にある。

・氣多大社
・コスモアイル羽咋

氣多大社

能登國一之宮。コムギは妙成寺へ行く前に途中下車して参拝しました。

氣多大社

原始林のまま手を加えられていない「不入ずの森」がありますよ。

■能登國一之宮 氣多大社
石川県羽咋市寺家町 ク1-1
Googleマップ
能登國一之宮 氣多大社

コスモアイル羽咋

なんでこんな田舎に本物の宇宙船が!?

羽咋コスモアイルのロケットとドーム

とても推せる楽しい博物館。

  • NASAで100年間無料レンタルをした宇宙船
  • 旧ソ連から格安で買いつけた宇宙船

ものすごく興奮しました。オススメです!

モルニア通信衛星(旧ソビエト)

■宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋
石川県羽咋市鶴多町免田25
Googleマップ
本物の宇宙船がある宇宙科学博物館|コスモアイル羽咋

おしまい。

五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所

【寺名】は、【第18番】。第二巻 北陸 に掲載されています。

 

妙成寺を参拝した旅の日記
知っておきたい!日蓮宗の総本山

妙成寺は日蓮宗。総本山は、身延山久遠寺です。

寺めぐりするならば知っておきたい

百寺巡礼でオススメのお寺

 

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