■名称：阿弥陀寺（あみだじ）
■宗派：華厳宗
■所在地：山口県防府市大字牟礼上坂本1869
■公式サイト：阿弥陀寺アジサイ保存会

阿弥陀寺はこんなお寺

東大寺とゆかりのあるお寺

平氏による焼き討ちにあった東大寺を復興するため、大仏殿再建のための木材が必要だった。その用材調達の地として選ばれたのが、ここ防府のある周防国。

拠点として開かれたお寺が、ここ阿弥陀寺。

開祖は重源

東大寺復興の用木調達のため、この地に派遣された僧侶・重源。

そのため、ここ阿弥陀寺は、東大寺とおなじ華厳宗のお寺。

石風呂に入れる

木材を切り出ししたのち、労働者の疲れを癒す石風呂もある。労働者への、重源の心くばり。こういう配慮が、慕われる理由なのだろう。

現在でも、毎月第一日曜日には石風呂を利用できるんだとか。

薪代の￥300が必要です。

石段がキツイ

三門から本堂まで、登り坂と階段が続きます。わりとハード。心して。

あじさい寺

あじさいが有名なお寺。毎年6月頃にアジサイ祭が開催される。

訪問時はアジサイの季節ではなかった。

国宝あり

阿弥陀寺には、国宝があります。拝観料が必要。

・鉄宝塔
・水晶五輪塔

阿弥陀寺の参拝記

訪問時期：2021年春

今回のルート

JR防府駅から電動レンタサイクルで移動

防府駅構内の案内所でレンタルできます。

・電動自転車
・4時間まで￥300

旅先でレンタサイクルを利用しますが、防府のレンタサイクルはとっても良心的なお値段。防府市の観光への並々ならぬやる気を感じます。

JR防府駅からスタート

なあに、これ。

商店街は、はいらず通り過ぎる。

普通のまち、防府。

大きい道を走る。ひたすらまっすぐ。

お正月に鹿島三社をめぐったときに千葉県の道を走ったときを思い出す。

普通の道を通過。
高速の下をくぐる。

ここ、自転車で通っていいのかな？

ふたたび、ふつうの住宅街を通る。

ここからは、阿弥陀寺まで一直線。

八重桜がモリモリと咲いている。

良い天気だな。

坂道へさしかかる。ここからは、ひたすら上り坂。

電動自転車なのでスイスイ進むのが、気持ちいい。

横には田んぼ。農業研究所だって。ビニールハウスが並ぶ。

阿弥陀寺仁王像の手形・足形

むむ？

阿弥陀寺の仁王様の足型だって。

一本道なので、案内板不要ですよ！

振り返った景色、ずいぶん登ってきたなあ。

阿弥陀寺、山門（仁王門）に到着

阿弥陀寺へ到着。バス停も門前にありました。

自転車は、木の麓に停めておく。

仁王門

茅葺き屋根が存在感のある仁王門。明るいのに寂れた雰囲気も残す、なんとも素敵な仁王門。

酔っ払いとニンニク臭い奴は禁止！
「不許葷酒入山門」。

扁額「華宮山」

扁額には、阿弥陀寺の山号である華宮山の文字。

茅葺き屋根

茅葺き屋根を下から見上げるのが好き。
整った断面を見るのが好き。

ド迫力！鎌倉時代の仁王像

金剛力士立像は鎌倉時代のもの。

目力がすごいし、躍動感ある。

さっき通りかかった「手形」「足型」の持ち主。

湯屋・石風呂

東大寺再建のための木材切り出しの後、労働者を癒すための石風呂と湯屋。現在もあります。

湯屋

小屋でした。

石風呂

現在も第一日曜には入ることができるんだって。

石風呂はこんな感じ。

石風呂ってサウナみたいなもの。

瓦、れんが、土で固められた石風呂。耐久性が少し気になります。

境内にサウナがあるお寺は初めて。百寺をめぐっているけれど、入浴施設があるのは恐山くらいだった。

▼百寺巡礼第70番札所 恐山

石段をのぼる

仁王門から本堂までは、ひたすら上り坂。石段をのぼります。フー。

足元はこんなかんじ。

石段のわきには、赤い帽子をかぶったお地蔵様があちこちにいる。

ヤマモモの巨木

石段脇の薮のなかには、ヤマモモの巨木があった。天然記念物だって。

階段を進む。

あじさい園

石段の脇道からあじさい園へ。

オフシーズンだから全く咲いていないね！
青いアジサイの葉っぱ。

ししおどしの音が響いていた。

蜂が飛んでいた。ここ阿弥陀寺では、とにかく虫が多かった。ブンブン飛んでいた。ししおどしは蜂には効果がないのね。

霊石と陽向石

どどんと鎮座する、謎の石たち。
なんともありがたい石だった。

こちら「霊石」、重源上人がよく腰掛けていた石なんだとか。

中門

本堂へむかうには、中門をくぐる。

本堂

本堂では、ちょうど法要が行われていたところ。

本堂の前には休憩スペース。

手水場。

大きい香炉には、東大寺別院阿弥陀寺の文字。

まずは御本尊にご挨拶。
法要中のため、外からお参り。

本堂横の庭園をウロウロ。良い天気。

さて、そろそろ法要は終わった頃かな。

本堂外陣の板絵

外陣には、板絵が飾られている。

テーマは板東三十三所。楽しげな絵が並ぶのに、まったくわからない。

なんだかバケモノっぽいひともいるけれど。どんなストーリーがある寺なの？

DVシーンでしょうか？
金色夜叉？貫一お宮？多分違うよね。

坂東三十四所の霊場が気になってくるじゃないか。

書院

本堂横の書院にて御朱印がいただけます。

御朱印をいただく

鐘をついてご住職を呼び出しするシステム。

阿弥陀寺の御朱印

花まつりのティッシュを頂いちゃった。

かわらけ投げ

100円を納めて瓦投げに挑戦。

瓦に願い事を書くも、インクがカスカス。この時点で願い事は叶わない気がした。

投げ台から、いざ挑戦。丸い輪っかの間に入れば願いが叶うとか。まったくかすりもせず、左側下へ落下。あーあ。

護摩堂

本堂の西横の護摩堂。不動明王にお参り。わたしの煩悩を焼き尽くしてください。

護摩堂の西側には籠がかかっていた。

昔は使っていたのかな？
いまはもう、使用に耐えなさそうだね。

橋にはアジサイ

阿弥陀寺にはいくつかの橋がある。デザインはアジサイ。

庭園

水は枯れているけれど、美しいお庭。

藤の花は、まだ早かった。萩では咲いていたのにね。高度が高いから？

藤の花はまだだけれど、蜂がブンブン飛んでいて困る。おちおち休んでいられない休憩所だ。

ツツジも咲いていた。

宝物館

本日は行事のため拝観できず。
行事って、さっきの法要のことかしら。

国宝・鉄宝塔(水晶五輪塔共)を収蔵されている。

水かけ五大尊

ずらりと一列に並ぶ、黒色の仏像軍。

本当にお水をかけてよいのでしょうか。下からお水を投げかけるのにどうしても抵抗がある。

ちょうど光が差し込む時間、後光が射してらっしゃった。
神々しい！仏だけど。

念仏堂

階段を登って、念仏堂へ。

ここ念仏堂は、創建当時に十二人の僧が念仏を唱えて修行に励む場だったところ。

鐘楼

ボーンと鳴らすと、予想より響いて驚いた。

長い石段を下る

さて、参拝を終えて下山。長い石段をくだる。

水車小屋

麓には、謎の水車小屋がありました。稼働していなかった。

巨木のレプリカ

奈良の東大寺大仏殿再建のための材木を切り出していた、ここ周防国。その巨木レプリカがありました。

こりゃ、すごい大木だわ。

阿弥陀寺縁起の銅板

おそらく、阿弥陀寺縁起と思われるストーリーの銅板がありましたよ。

この仏様は、東大寺の大仏様かしら。

阿弥陀寺を開基した重源上人。

仏師が仁王像を掘るシーン。

阿弥陀寺の御本尊、阿弥陀如来様。

ふたたび仁王門

仁王門から本堂までは石段がつづき、わりときつかった。かなり歩くことになるので、御覚悟を。

これにて参拝終了。自転車で防府市内へ戻ります。

阿弥陀寺 参拝後の観光

電動レンタサイクルにて、防府市の観光スポットをめぐる。

・多々良大仏殿
・毛利博物館・旧毛利家本邸
・周防国分寺
・防府天満宮 

2時間で3箇所を巡るのは、かなりタイトなスケジュール。
すべて中途半端になっちゃった。

多々良大仏殿

自転車で通り過ぎかけたお堂。小さなお堂の中に大きな仏様。

■多々良大仏殿
山口県防府市多々良２丁目10
・Googleマップ

毛利博物館・
旧毛利家本邸

共通鑑賞券、¥1,000もした。高い！時間がないのに共通券を買ってしまったわ。ここはノンビリ鑑賞するタイプのスポットなので、急ぐならば省くべきところ。

毛利博物館は、お雛様コレクションが凄かった。

旧毛利家本邸は、お庭の人工美が素晴らしい。お庭は、ほぼ走って一周。

■毛利博物館・旧毛利家本邸
山口県防府市多々良１丁目15-1
・Googleマップ

周防国分寺

すばらしい寺宝がたくさんあるそうですが、これも参拝するのみ。

■周防国分寺
山口県防府市国分寺町２−６７
・Googleマップ

防府天満宮

菅原道眞公を祀る。学業成就の神様。

■防府天満宮
山口県防府市松崎町14-1
・Googleマップ

ゴール：
JR防府駅

自転車を返し終え、次の目的地である湯田温泉へバス移動。

おしまい。

五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所

阿弥陀寺は、【第78番】。第八巻 山陰・山陽に掲載されています。

 

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