2021年春、山口県萩市の東光寺の参拝記録。
五百以上の石灯篭が並ぶ毛利家墓所が圧巻のお寺でした。
東光寺について
■名称:護国山東光寺(ごこくさんとうこうじ)
■宗派:黄檗宗
■所在地:山口県山口県萩市椿東1647
■公式サイト:毛利家・観光の寺院 黄檗宗 東光寺
東光寺はこんなお寺
毛利家墓所がある
東光寺の奥には、毛利家墓所があります。毛利家の奇数代の君主のお墓。
お墓の前に整然と並ぶ石灯籠は、一見の価値あり。
黄檗宗のお寺
東光寺は、黄檗宗のお寺。そのため、中国様式が随所に見られます。
東光寺の参拝記
訪問時期:2021年春
今回の移動:自転車
萩バスセンターからレンタサイクルで移動
前日夜から萩入り。ホステルから最寄の萩バスセンターの前のレンタサイクル「スマイル」にてレンタル。東光寺へは自転車で移動します。
■スマイル貸自転車 【萩バスセンター前営業所】
利用料金:¥1,000円/日
Googleマップで確認する
控えめにいっても、かなりボロい自転車だった。ボロいのはいいけれど、キイキイと軋むので不安になる。油をさすなどのメンテナンスはしてほしい。
萩循環まあーるバス
萩には主要な観光地をめぐる「萩循環まぁーるバス」もあります。無料のマップももらえるので、自転車でない方はこちらを利用しよう。
萩バスセンターからスタート
自転車も借りたし、いざ出発。東光寺へ行くまでに、寄り道。
寄り道①
モーニング肉うどん
どんどん唐樋店で、モーニングうどん。ホステルは朝食なしプランだもんね。モーニングは肉うどんが安いときいて、迷わずそれ。
美味しそうなかき揚げも頼んだら、脂っこくなってしまった。
寄り道②
コーヒーショップ
長屋門珈琲カフェ・ティカルにて、食後のコーヒー。こだわりのコーヒー屋さんだった。本日のプランを練る。
可愛い猫にも出会う。
腹ごしらえもしたし、やっとこさ、東光寺を目指します。
松陰神社前を通過
松下村塾跡を擁する松蔭神社を通過。維新ロードを上り続けて東光寺へ。
自転車ではのぼりみち。
登り窯を見かけました。さすが、やきものの里・萩!
片山東熊別邸跡
維新ロード沿いに石碑。片山東熊って、何をされた方なの?
片山東熊(かたやま・とうくま)
明治期に活躍した建築家。
代表作:赤坂離宮、東京国立博物館表慶館
玉木文之進旧宅
玉木文之進(たまき・ぶんのしん)
吉田松陰のおじ。松下村塾を開く。
松下村塾はここから始まった。無料で観覧できる。
萩って良い気候だな。こんな日本家屋でのんびり過ごしたいものだわ。
東光寺に到着
維新ロードをのぼりきると、交差点。東光寺の総門は、その一角にある。
総門
派手な朱色の総門。
扁額:護国山
開山・慧極による扁額。
伝説の魚・摩伽羅
屋根をかざるのは、シャチホコではなくて、摩伽羅(まから)という伝説の魚。
うーん。遠くてよくワカラナイ。
扉はとっても重厚。
さあ、境内へ。
受付
拝観料:300円
拝観料を支払うだけの価値あり。ご朱印もこちらでいただけます。
受付横には、一列に並んだお地蔵様。
瓦には「東光禅寺」の銘が。
三門
三門は、禅宗伽藍の正門。
扁額:解脱門
三門の扁額には、「解脱門」の文字。
「空・無相・無作」という三つの解脱へ至る門の意味。
山門の上層には釈迦如来坐像などが安置されているそうですが、一般参拝客は拝観不可。ちぇ。
うらめしく、階段をパシャリ。
鐘楼
2021年春は、近寄ることが出来なかった。なぜ?遠くから眺める。
トイレ
総門から山門への坂道の途中にトイレがあります。清潔。個室がたくさんありましたが、こんなに一度に参拝者が訪れることは、あるのだろうか。
トイレの前の広場に、休憩スペースもありました。
境内はお花がいっぱい。
立派な松の木。
良い季節だな。
大雄宝殿
大雄宝殿(だいおうほうでん)とは、黄檗宗では本殿に相当。
月台
大雄宝殿のまえには小石、玉砂利が敷かれた広場「月台」。
月台の中央にある四角いは、梵壇石。
梵壇石(ぼんだんせき)
僧侶を罰するときに座らせる場所
罰する???
なんだか穏やかではないぞ。
お寺巡りをしていて、僧侶を罰する場所を目にしたことは、記憶にない。黄檗宗ならでは?
大雄宝殿から眺めた月台と梵壇石。ここから僧侶を罰したのだな。
扁額「大雄宝殿」
この伸びやかな書体も中国風の特徴。
花頭窓
大方丈前の庭園
狭いながらも整えられたお庭。
蜂が飛んでいた。参拝するにも、気が抜けない。
おみくじはピンク色
かわいいおみくじ。
木魚の原型「魚板」
ここ東光寺には、木魚の原型「魚板」があります。
魚が口に加えているのは「煩悩」。
魚の背をたたくことで煩悩を吐き出すんだって。木魚にはそんな謂れがあったのですね。
大雄宝殿の裏から墓所へ
毛利家墓所へは、大雄宝殿の裏から向かいます。
元治甲子殉難烈士墓所
明治維新にて命を捧げた志士たちの慰霊墓が並ぶ。
配列の説明板もあります。だけどよくわからない。
石燈籠がならぶ!
ですが、こんなのは序の口でした。
放生池
池は、枯れている。
橋を渡って、墓所入り口へ。
毛利家墓所入り口
毛利家が眠る聖域への入り口。
ここから特別な場所なのだ!
結界めいたものを感じさせる、威厳のある門。
手前に墓所配置図もあります。
毛利家墓所
毛利家墓所。東光寺のみどころ。
足を踏み入れた瞬間、その整然さに驚く。
墓所は静謐な空間
明るい堂宇と違って、奥にある毛利家墓所はとても静謐な空間。
整然と並ぶ墓碑と石灯籠に感動
墓所の一番奥には、毛利家奇数代の3・5・7・9・11代とその妻の墓が並ぶ。
ちなみに偶数代のお墓は、ちかくの「大照院」にあります。現地で知りました。
5代ごとの墓前の前には、石鳥居、参道、参道脇には石灯籠がずらりと並ぶ。
その整然としたさまが、統率のとれた軍隊みたい。兵馬俑みたい。
規律ただしく、軍隊みたい。
石灯籠は部下たちによる献上
毛利藩では殉死を禁じた。主君がなくなると部下は殉死の変わりに石灯籠を奉じた。
なので、石灯籠=臣下とすると、兵馬俑のイメージと重なるのも当然か。
広さも、
石灯籠の数も、
その密度も、
とにかく圧巻です。
すんごいギュウギュウですよ。
亀の上の石碑
こんなところにも中国風。お墓の横に立つ、神道碑は亀の上に立っている。
中国では、亀を台として石碑が立てられるのが普通。
神道碑に刻まれているのは生前の業績だって。
参拝した日は、気持ちよく晴れた日。木々のなかに光が射しこみ、特別な雰囲気が漂う。特別な空間です。
お墓だけれど。一見の価値あり。お墓なのに、また訪れたいとおもった不思議な空間でした。ぜひ!
東光寺参拝は、これにておしまい。
東光寺 参拝後の観光
・窯元直営の陶器ショップで萩焼を買う
・松蔭神社・松下村塾
・伊藤博文旧邸
・大照院
萩焼を買う
東光寺の門前に、萩焼の窯元直営の陶器ショップがいくつかあります。ちょっとのぞいてみる。
店前のワゴンセールに興奮。
これのどこがB級品なのかしら。
お店のなかには、仕上がりの良い一級品もあります。見比べるのも楽しい!
セール品から萩焼を購入。
松蔭神社・松下村塾
松蔭神社の境内には松下村塾があります。無料で観覧可能。
ちょうど藤の花が見頃。やっぱり蜂がいた。
■松蔭神社
山口県萩市椿東1537番地
・Googleマップ
伊藤博文旧宅
一部工事中。ええ家に住んでたんだな。そりゃ元首相だものね。
■伊藤博文旧宅
山口県萩市椿東1511ー1
・Googleマップ
大照院
毛利家、初代と偶数代の墓所。東光寺とセットで訪れてみたい。
■名称:霊椿山 大照院 (れいちんざん だいしょういん)
■所在地:山口県萩市椿青海4132
■宗派:臨済宗南禅寺派
■公式サイト:大照院(公式)
おしまい。
五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所
【寺名】は、【第73番】。第八巻 山陰・山陽に掲載されています。
東光寺を参拝した旅の日記
東光寺とセットでの参拝がおすすめ
足を伸ばして、津和野へ。
知っておきたい!黄檗宗の総本山
東光寺は黄檗宗。総本山は、宇治の萬福寺です。
寺めぐりするならば知っておきたい
百寺巡礼でオススメのお寺
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