2020年秋、福島県の勝常寺の参拝記録。
勝常寺は、東北地方唯一の平安期国宝仏が残る会津の中央薬師さま。
訪問時期を失敗したため、勝常寺の国宝を拝むことはできなかったけれど、朝霧のなかを歩くのが幻想的な参拝となりました。
勝常寺について
■名称:瑠璃光山 勝常寺 (るりこうざん しょうじょうじ)
■所在地:福島県河沼郡湯川村勝常代舞1764
■宗派:真言宗
勝常寺はこんなお寺
国宝の宝庫
「木造薬師如来及び両脇侍像」などの国宝を擁するお寺。なぜこんなところに国宝が!?驚かずにはいられないお寺です。
戦火を免れる
東北の奇跡と呼ばれる所以は、幾度の危機からも国宝が守られていること。
・伊達政宗の会津侵略
・太平洋戦争
会津侵略では勝常寺の伽藍がほとんど焼失するが、薬師堂と仏像十二体は無事。
太平洋戦争中、米国からの爆撃対象地から免れる。境内のなかに碑がある米国人・ウォーナー博士の進言によるもの。
創建は徳一といわれるが謎
ここ勝常寺は、徳一の創建といわれるが、あまりに古く証拠が残っていない。
徳一(とくいち)
天台宗の宗祖・最澄との論戦で有名な僧侶。
拝観は事前予約必要
国宝の拝観については予約が必要。事前に勝常寺へお問い合わせください。わたしは、問い合わせていなかったため、拝観できませんでした。とほほ。
勝常寺 電話番号:0241-27-4566
勝常寺へのアクセス
訪問時期:2020年秋
今回の移動手段
■会津バス 坂下線
・若松駅前バスターミナル~佐野 ¥550
下車後、徒歩20分
会津若松に前泊
昨日に会津若松に到着。昨晩は会津若松駅前のホテルに宿泊。すごい霧だ。
若松バスターミナルからスタート
若松駅前バスターミナルは、駅から徒歩1分程度。
■会津バス 坂下線
・若松駅前バスターミナル~佐野 ¥550
バスは渋滞知らず。
乗車時間は短いけれど、ものすごい移動距離。遠くまで来た。
佐野バス停で下車
下車後、勝常寺まで徒歩20分
佐野でも霧がかっていた。天気が悪いの?朝だから?
白壁の建物に、テンションがあがります。うん、旅っぽい。
勝常寺までは徒歩20分
朝の寒い田舎道を歩く。
モヤで視界が不明瞭。
でも、それが幻想的で楽しい。
田んぼの道だけれど、ときどき車も通る。
田んぼの奥には林も。
神様が住んでいそう。
太陽も霧で見えない。
トンボが気になる
足元に落ちていたトンボ。
ひー!
踏んじゃうところだったじゃないか。
なんだこれ!?
死んでるの?
生きているの?
生死不明のトンボたち。
集団自決か?
昨日、白虎隊記念館を訪れたばかり。白虎隊の少年たちの姿と被った。
トンボは死んでいない
のち、地元の方とお話したときに聞いた。トンボは生きている!
太陽が出て露を払ったら、また飛び出すから大丈夫とのこと。ああ、よかった。
朝露に濡れる蜘蛛の巣。
雨粒の重みでも切れない糸。細いのに強いのね。
この霧の朝の田んぼ歩き、とっても楽しい時間でした。
お寺に近づく
田んぼ地帯を通り抜けると、民家が増えてきた。お寺が近づいてた証拠。
敷地内に、大きな蔵をもつ住宅が多い。
消火栓の色がピンク。
勝常寺の参拝記録
勝常寺に到着。
門の前には、国宝指定の碑が堂々と並ぶ。
ですが、
訪問時期が悪く、国宝たちの拝観できず。
何しに来たんだ、一体。
国宝の拝観できず!
・冬季休業期間あり
(地元の方によると11/1~)
・事前に電話確認を!
■勝常寺(拝観予約)
電話 0241-27-4566
リサーチ不足の私が悪い。今回は予習ってことで。会津若松にきてみたかったし!
仁王門
仁王像
ご尊顔をアップで。
仁王様の大きい草履。
仁王門をくぐって境内へ。境内無料です。
境内
ちょうど落葉の季節。イチョウで黄色い絨毯が出来ていた。きれい。
薬師堂
伊達政宗による会津侵略の際、勝常寺の伽藍のなかでただひとつ戦火を免れた薬師堂。
扁額
山号の「瑠璃光山」の文字。
宝物庫
残念ながら拝観は叶いませんでした。
すべて国宝です。
・薬師如来坐像
・月光菩薩立像
・日光菩薩立像
薬師如来坐像(国宝)
お姿は拝めませんでした。
ありがたいわ!
土井晩翠ウォーリーの碑
会津若松の地を太平洋戦争の戦火から守った外国人・ウォーリーと土井晩翠の碑。
稲荷神社
薬師堂裏手に稲荷神社。
かわいいお稲荷さんの前には、お供えが。
弁天池と宗像神社
山門わきにある弁天池と稲荷社。鳥居もあります。
以上。
国宝を拝めないため、あっさりと終わってしまった。
勝常寺付近を歩く
バスの時間まで、まだまだ。勝常寺の周辺を歩く。
ビール休憩
国宝を拝むことも叶わなかったしな。ビールでも飲むか。
「いらっしゃいませ!」
ネコちゃんに歓迎される。
お店の女性と話をして、勝常寺は11月から拝観停止になると知る。
今日から11月だった!
コロナのせいかと思っていたけれど、どのみち11月に参拝計画していた時点でアウトだったってことね。関西在住だと、冬季閉鎖の観念が欠如しちゃうんだよな。
朝から飲むビールは格別ね。近くに公衆トイレもありました。
アレチハナガサが咲いていた。
佐田バス停へ引き返す
帰りのバスに乗るべく、来た道を戻る。
おばあちゃまと出会う
道端に群生していた紫の実をつけた植物。明るい紫色が可愛らしい。コムラサキシキブというんだって。
紫の実が可愛らしいな。
写真を撮っていたら、おばあちゃまに声をかけられる。
・こんな雑草、写真を撮ってどうするの?
・せっかくだから、持って帰りなさいな〜
そう仰っていたようだ。会津の言葉は分かりづらい。
おばあちゃまは台車からハサミを取り出し、花を切って私に渡してくれた。
勝常寺に来たの?仏さんみれなくて残念だねえ。あそこのお坊さんは優しくていい人なんだよ。
ご住職はとても慕われているよう。酒屋の女将さんも、そうおっしゃってた。勝常寺は地元に信仰されているお寺なんだなあと会話の節々で感じます。
お寺めぐりで地元の方とお話しすることはあまりないので、「偉大なお寺のお膝元にすむ住民のきもち」を垣間見ることができた、貴重な機会。
お花を抱えながらの帰り道。
これ、どうしたものかしら?
行く道ではかかっていた霧も晴れてきた。景色が違う。
霧がかかって神秘的だった林も、一変して普通の風景に。
トンボは復活していた
まだ羽を休めているトンボも、露がだいぶん、落ちていた。
太陽に羽をかざして露払いしているんだね。
集団自決しているかに思えたトンボたちはいなかった。
佐田バス停
バス停に到着する。まだ早かったな。
バス停には小屋もあるので、ゆっくり待つことができます。
バス出発
会津若松駅方面に行くバスに乗車。
■会津バス 坂下線
・佐野〜若松駅前バスターミナル ¥550
若松駅前バスターミナル到着
終点の若松駅前バスターミナルで下車。JR若松駅すぐそば。午後からは、会津若松観光だ。
勝常寺参拝後の観光
会津若松は見どころがたくさん。
・鶴ヶ城
・御薬園
・白虎隊記念館
・白虎隊自刃の地
・鰊を食す
・会津の郷土料理を食す
鶴ヶ城
会津若松のシンボル・鶴ヶ城。夜はライトアップされていた。
■鶴ヶ城
福島県会津若松市追手町1-1
・Googleマップ
・鶴ヶ城 – 会津若松観光ビューロー
御薬園
■国指定名勝松平氏庭園 御薬園
福島県会津若松市花春町8-1
・Googleマップ
白虎隊記念館
戊辰戦争での悲劇・白虎隊の記念館。すこし雑多な印象を受けましたが、白虎隊を理解するには十分。
■白虎隊記念館
福島県会津若松市一箕町大字八幡字弁天下33
・Googleマップ
・白虎隊記念館へようこそ
白虎隊自刃の地
白虎隊記念館よりさらに飯盛山をのぼり、白虎隊自刃の地へ。
会津若松の街を見下ろすことができます。
■白虎隊自刃の地
福島県会津若松市一箕町大字八幡滝沢155
・Googleマップ
「さざえ堂」にも立ち寄ろう。
鰊を食す
鰊屋敷 太田にて、鰊(にしん)御膳を食べる。
こちらのお店、とてもおすすめです。鰊の醤油漬けのあまりの美味しさに、大量にお持ち帰りを購入。要冷蔵であることは、スルーした。
お店の外観も素敵です。
■鰊屋敷 太田
福島県会津若松市相生町2-10
・Googleマップ
・食べログ
会津の郷土料理を食す
会津の郷土料理が食べたい!
観光としての目的も果たせる渋川問屋にて昼食。
鶴コース。会津の郷土料理を楽しめる。
ひとりでも、気にせず食事できますよ。
■渋川問屋
福島県会津若松市七日町3-28
・Googleマップ
・食べログ
おしまい。
五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所
勝常寺は、【第66番】。第七巻 東北編 に掲載されています。
勝常寺を参拝した旅の日記
勝常寺とセットでの参拝がおすすめ
百寺巡礼のお寺ではないですが、会津五薬師のひとつの慧日寺。
■名称:磐梯山 慧日寺 (ばんだいさん えにちじ)
■所在地:福島県耶麻郡磐梯町磐梯本寺上4950
■宗派:真言宗豊山派
■公式サイト:慧日寺( 磐梯町ホームページ)
知っておきたい!真言宗の総本山
勝常寺は真言宗豊山派。総本山は高野山です。
寺めぐりするならば知っておきたい
百寺巡礼でオススメのお寺
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