パリのギュスターヴ・モロー美術館の鑑賞日記。
壁面に埋め尽くされたモローの絵画が圧巻!
ギュスタヴ・モロー美術館について
ギュスターヴ・モローの単独美術館
フランス象徴主義の巨匠・ギュスターヴモローの美術館。

ギュスターヴモローの自画像
単独美術館はこうあるべき!代表作はもちろん、デッサンや制作中の作品もずらりと展示されていて、モローの美術家の集大成を堪能できる。モローファンとしては、大満足。
1852年から暮らした邸宅
モローが暮らした邸宅が美術館になっている。
初代館長はジョルジュ・ルオー
ジョルジュ・ルオーは、パリの国立美術学校時代のモローの教え子。ルオーも好きな画家のひとり。わたし、象徴主義が好きなのかも。

ポンピドゥーでみたルー作品
ギュスタヴ・モロー美術館 入館について
訪問日:2024年12月
入館料 €8
ミュージアムパス利用可能。
予約&待ち時間
事前予約:なし。すぐに入館できた
夕方にいったためか、パリが大混雑する年末でしたが、空いていてゆっくり見ることができた。
ロッカー:あり(無料)
入口すぐに小さめのロッカーがありました。
ギュスタヴ・モロー美術館 鑑賞記
訪問日:2024年12月
坂道を登って美術館へ。
エントランス
階段をのぼって上の階へ
1Fは受付なので、階段をのぼって上へ。邸宅なだけあって、階段の幅は狭い。
アトリエ?書斎?
2階
絵画展示フロア・2階(3階)はこんな感じ。
壁一面にモロー作品がぎっしり展示されている。
高いところや、階段そばに掲げられている作品は、よく見えないものも。もったいない!日本に来て!
奥には、巨大絵画が並ぶ。晩年に近づくにつれ、作品は巨大化した。
この端っこの巨大絵画は、ギリシア神話、金羊毛を求めてイオルクスに戻ったジェイソンとアルゴノーツの物語。

THE RETURN OF THE ARGONAUTS

ギュスターブ・モロー《世界を照らすため父アポロンのもとを去るミューズ》
一枚の画面のなかで、線とか色合いとかが異なって移ろいゆく感じが素敵だあ。
制作途中と思われる絵。
奥には螺旋階段、これで3階(4階)へ。
3階(4階)
3階には、「出現」や「ユピテルとセメレ」などのモローの代表作品が集められていた。時間がタイトな場合は3階優先で。
壁一面に展示されているのは、3階も同じ。
ユピテルとセメレ
3階にのぼってきて、一等席に展示されているのは「ユピテルとセメレ」。
日本語の解説も置かれていた。
せっかく真近でいるのだから、接写を試みる。
絵画の前にはベンチもあって、座って全体を眺めることもできる。
ユピテルとセメレは、もう1枚ありました。こちらはシンプル。シンプルっていうのも、おかしいか。

ユピテルとセメレ
プロメテウス
ギリシア神話・巨人族の神・プロメテウス。人間に火を与えたために毎日鷲に内臓を啄まれ、毎日復活し、また翌日も啄まれる・・・という永遠の拷問に苦しむエピソード。
モローが描くこのプロメテウスは、白い体と凛とした眼差し。悶絶しているようすは、ない。

ギュスターブ・モロー《プロメテウス》
鷲にも注目。くちばしからは、血が滴っている。
内臓の位置、おかしくない?
傷口が再生を終えようとしている段階なのかな。
出現
モローの代表作「出現」の油彩画。

ギュスターブ・モロー《出現》
「出現」には水彩画も存在していて、ルーヴル美術館に収蔵されている。傷みやすいのか、訪問時のルーヴル美術館では展示しておらず、鑑賞は叶わなかった。
モローは同じテーマや構図で何枚か描くことがあるので、ここモロー美術館でも見ることができる。
繊細な線で描かれているのは、東洋美術の影響。オリエンタリズムを感じるこの作風、私はとても好き。
悪女サロメの顔は、淡いタッチで描かれている。
バスクと死の天使
不穏な雰囲気を醸し出す作品。”黙示録の騎士”を想起させる(でも、違う)。

ギュスターブ・モロー《バスクと死の天使》
ゲオルギウスと竜
この作品は美術本で見たことがあって知っていたけれど、モローの作品だと思っていなかったもの。

ギュスターブ・モロー《ゲオルギウスと竜》
ギュスターブ・モロー《一角獣》

ギュスターブ・モロー《一角獣》
一角獣といえばクリュニー美術館のタピストリーが有名。美術館がタピストリーを手に入れた数年後の作品。
一角獣を愛でる2人の女性は、裸体と着衣と対照的。

一角獣と裸の女性

一角獣と着衣の女性
ソドムの天使たち
初見で大好きになったのがこの作品。旧約聖書・創世記で燃えるソドムの街を後にする破壊の天使2柱。

ギュスターブ・モロー《ソドムの天使たち》
淡いシェルピンクの背景にぼんやりと浮かぶ破壊の天使。

ギュスターブ・モロー《ソドムの天使たち》
レダと白鳥

ギュスターブ・モロー《レダと白鳥》
レダと白鳥のテーマは、2階にもありました。

ギュスターブ・モロー《レダと白鳥》
ゴルゴダ丘のマグダラのマリア

ギュスターブ・モロー《ゴルゴアの丘のマグダラのマリア》
この絵も気になった。
スケッチ
スケッチ、作品のお手本、未完成の作品などなど収蔵された美術館。スケッチを見ることができるようになっている。

スケッチの展示
これは「出現」のスケッチかな?サロメとヨハネかな。
これは、きっと「オルフェウス」だろう。
画家の製作過程をのぞけて興味ふかいです。スケッチを熱心に見学している若者がいた。画学生かな?
閉館時刻10分前、消灯される
日本の美術館と違って、パリの美術館は閉館時間=完全終了時間。閉館10分前には追い出し開始。
消灯されてしまった。
階段をおりる。2階はもう客はいない。
図録購入
美術館のショップでは、私でも読めそうな図録がなかった。
帰国後にメルカリで図録購入。英語版だけど、がんばって読みます!
閉館18時、美術館を出た。
足りなかった。
死ぬまでに訪れたい場所が、ひとつ増えた。
おしまい。
ギュスターブ・モロー美術館
基本情報
基本情報
ギュスターブ・モロー美術館
Musée Gustave Moreau
入館料:€8(2024年12月)
※パリ・ミュージアムパス対象
住所:14 Rue Catherine de la Rochefoucauld, 75009 Paris, フランス
Googleマップ
公式:Musée Gustave Moreau(英語)
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その他のパリの美術館
パリ・ミュージアムパス
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