百寺巡礼

【百寺巡礼】第64番 黒石寺 “蘇民祭の舞台となる東北の古刹”

 

黒石寺蘇民祭

 

黒石寺は・・・

蝦夷VS大和朝廷の地
奇祭・蘇民祭で有名

黒石寺の参拝は、

仏像拝観は予約必須
蘇民祭時期を外すと静かなお寺
余った時間で大師山に登る
正法寺とのセット参拝がおすすめ

2020年10月の参拝記。

旧暦1月に開催される蘇民祭は見れておりません。
通常モードの静寂な黒石寺の参拝記、ご覧ください。

黒石寺について

■名称:妙見山黒石寺(みょうけんざん こくせきじ)
■宗派:
天台宗
■所在地:
岩手県奥州市水沢黒石町字山内17
■公式サイト:
妙見山 黒石寺

黒石寺はこんなお寺

蝦夷VS大和朝廷の地

ここ岩手県の水沢は、胆振城(いぶりじょう)の近く。大和朝廷と蝦夷が争った土地。ここ黒石寺は奈良時代から続く、みちのくの古刹です。

林立する彼岸花

奇祭・蘇民祭で有名

蘇民祭は各地であれど、ここ黒石寺は1,000年以上続く歴史があるのだとか。

公式ポスター

2008年に、このポスター問題で話題となった蘇民祭。

卑猥だということでJR駅から撤去されたそう。

黒石寺蘇民祭のポスター

個人的には、神事なのだから、露出が多くても構わないのでは思う。
お相撲さんがふんどし一丁の姿でも何も思わないのと同じですよ。

このポスター、コムギも見かけたことがある。

● ネットで
● 門真市のラーメン店で

ラーメン店で見かけたときは、ぎょっとしたことを覚えている。2020年の話です。なぜ貼っていたのかな。店主に尋ねてみたら良かったな。

令和2年のポスターは、ちょっと控えめになっているようですね。

黒石寺蘇民祭のポスター

蘇民祭

祭りの内容ですが、ふんどし一丁の男性たちが、真冬に蘇民袋(麻袋)を奪い合う祭。

煙に包まれる黒石寺蘇民祭の参加者

©奥州市公式ホームページ

カオスな光景です。

黒石寺蘇民祭の参加者

©奥州市公式ホームページ

五木寛之先生「百寺巡礼」

黒石寺は、【第64番】。第七巻 東北編 に掲載されています。

黒石寺の参拝記

出発:水沢駅

JR水沢駅からスタート。
ローカル駅の見本のような駅。コンビニは、ない。

水沢駅前

移動:
水沢〜黒石

黒石寺門前まで行く「正法寺線」に乗りたかったけれど、運行本数が少なくちょうど良いものがなかった。

生母線で近くの黒石バス停まで行き、歩いて向かうルートです。

岩手県交通 生母線(生母行)
470円
水沢駅前~黒石 

12:01
水沢駅前

バス停は、駅前ロータリーにあります。岩手県交通バスの事務所の目の前から出発。

水沢駅前のバス乗り場

”くろいし”と”こくせき”

黒石寺は「こくせきじ」と発音するけれど、地名の黒石は「くろいし」。
特にバス車内の停留所アナウンスでは注意が必要

12:19
黒石バス停

バスはここまで。黒石(くろいし)バス停で下車。

ここからは、歩いて黒石寺へ。

岩手県交通 生母線のバス

歩いて移動:
黒石バス停〜黒石寺(徒歩20分)

黒石バス停から黒石寺まで徒歩20分とのことでしたが、途中の風景に眼を奪われ寄り道していたら、40分ほどかかっていた。

黒石寺までの看板

黒石バス停から黒石寺までは、緩やかな上り道が続く。

杖をついてゆっくり歩く女性

東北の田舎の光景に、”旅に来た感”が高まる。こういう景色のなか歩くのが大好き。

黒石寺へ向かう道の田んぼ

稲刈りが終わったばかりなのかな?

黒石寺へ向かう道の田んぼ

フサフサの稲。

収穫された稲

ゴオオオーという音がするから振り返ると、畑の中を新幹線が通過していた。

畑の中を新幹線が通過

上り坂ですが、田舎の風景が楽しいのでテンションは高め。

大きい道路沿いに歩くため、迷うこともありません。景色に集中できるのが良いところ。

黒石寺へ向かう国道

途中には彼岸花がたくさん咲いていた。

彼岸花

黒石寺に到着

歩くこと40分、黒石寺門前に到着。

黒石寺の柱と駐車場

瑠璃壺川

この橋の下に流れているのは、瑠璃壺川。蘇民祭のときには、こちらの川で体を清めるのだとか。本当!?

正法寺へ行く道路

シャッターに描かれた蘇民祭

駐車場内の消防舎に蘇民祭のグラフィティがありました。イラストになると、蘇民祭の勇壮さや熱量はあまり伝わってきませんね。

蘇民祭のイラストが描かれたシャッター

東光庵

休憩所がありました。軽食を取れます。お土産も販売。店員さんとお客と思われるお年寄りがいてた。トイレは別棟で利用可能。

伽藍

黒石寺の本堂と石段

階段をのぼって、いざ黒石寺の伽藍へ。こじんまり。

黒石寺の境内

率直にいうと、地味すぎる

狛犬の後ろ姿

百寺巡礼で取り上げられるお寺は、どこか特別なお寺。こんな地味な境内の場合は、歴史的に特別なところが定石。ここ黒石寺は、蝦夷VS大和朝廷の舞台であった地。黒石寺自体はとても古いお寺。このあたりに居住していた蝦夷たちが大和朝廷に征服されるまえから存在していたお寺。伽藍は何度も消失しているのだとか。

黒石寺の境内

いまは小規模な境内ですが、大伽藍だった時代もあったのだとか。この山奥にて、こじんまりながらも現在まで信仰が存続していることに、信仰の深さとロマンを感じます。そんな小規模な伽藍を見学。

本堂(薬師堂)

簡素な作り。質実剛健という印象。

黒石寺の本堂

黒石寺の本堂

狛犬

足が長い狛犬は珍しい。

黒石寺の本堂前の狛犬

本堂の寺宝

本堂には、四天王像やら十二神将像などの寺宝が祀られている。ですが、今回はそのお姿を拝めず。事前予約が必須なのでした。とほほ。

隙間から覗き見するのみ。

本堂の拝観は予約

黒石寺問い合わせ先
TEL 0197-26-4168
料金・・・・大人(高校生以上) 500円
大人20人以上の団体は1人300円
式ホームページで確認する

拝観予約については、ガイドブックにきちんと記載されていたのに、私のバカ!交通アクセスばかり調べていたからかな。あーあ。

収蔵庫(三宝殿)

ここにも寺宝があるそう。堅牢な建物。

黒石寺の収蔵庫(三宝殿)

妙見堂

急峻な階段を登って釈迦観音堂へ。

黒石寺の妙見堂への石段

蘇民祭のときに体を清めるお堂。

黒石寺の妙見堂

妙見堂の階段のわきには、謎の刀剣を模したものがありました。

黒石寺の境内にある刀剣

釈迦観音堂

黒石寺の釈迦観音堂

御供所と鐘楼

1階は御供所(ごくしょ)と呼ばれ、蘇民祭のとき供物を準備する場所。2階は鐘楼です。

黒石寺の鐘楼、御供所

庫裏、事務所

背の高い土塀で囲まれている内側に庫裏と寺務所があります。御朱印はこちらでいただけます。

黒石寺の土塀と小道

書置きの場所がわかりづらい

御朱印・書置きの場所は、高い土塀に囲まれている寺務所の敷地内でした。

奥まっているので、不法侵入じゃ?と不安になり、なかなか踏み込めずにました。

黒石寺の境内案内図

他の参拝客男性が声をかけてくれて突入。

黒石寺の御朱印書き置き

寺務所には人がいなかったので、書き置きをいただきます。

黒石寺の御朱印書き置き

一緒に御朱印をいただいた男性は、奥州三十三観音霊場めぐりをしているのだとか。

東北の札所めぐりは、車移動でないと厳しそう。クルマを運転しないコムギにはハードルが高そうだな。

御朱印

書き置きの御朱印。

黒石寺の御朱印

NEXT:
大師山ハイク&正法寺を参拝

大師山

裏手の大師山をハイキング。気軽に登ったけれど、わりときつい。

大師山のハイキングコース

頂上は絶景。ですがけもの道で流血。うう。

大師山の山頂から眺める景色

正法寺を参拝

深山幽谷の地に曹洞宗の禅寺。たたずまいは、曹洞宗総本山の永平寺と似ている。

深山幽谷の地に佇む凛としたお寺
コムギが抱く曹洞宗寺院に対するイメージそのまんまで、嬉しくなる。

正法寺門と立派な杉の木

熊野大権現大祭祈禱會

本日は一年に一度の「熊野大権現大祭祈禱會」の日案内所で拝観料を納めたときに知る。

コロナウィルス感染防止のため、ご祈祷自体は一般参拝者は参列できず。というより到着した夕刻には法会は終了していた

正法寺の御開帳特別御朱印

特別な御朱印をいただきました。嬉しい。

整然としている境内

曹洞宗の禅寺は掃除が行き届いて、どこを訪れても気持ちが良い。

正法寺の境内

参拝を終えて

黒石寺は、適当な気持ちでフラリと訪れると、スカされるお寺

拝観予約は必須だし、
参拝時期も考えるべき。

公共交通機関で行くならば、綿密な計画が必要。せっかく訪れるならば、ぜひ正法寺も一緒にどうぞ。

見ごたえのあるお寺めぐりになりますように。

五木寛之先生の「百寺巡礼」掲載箇所

黒石寺は、【第64番】。第七巻 東北編 に掲載されています。

 

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