ワイロ。権力を悪用した、とっても卑劣な行為。日本だと報道され逮捕沙汰ですね。
しかし、ウズベキスタンでは、ワイロが横行しているのです。あまり罪の意識がないようにも見受けられました。日本だと、誰もとおらない車道を信号無視する程度の感覚。国家も黙認しているのかしら・・・?
世界にはそういう国があると、なんとなく知ってはいましたが、実際に遭遇したときには驚いた!
コムギの体験談を紹介します。
目次
- 警察官による観光名所案内ワイロ
- 鉄道の座席グレードアップワイロ
警察官による「塔にのぼってみない?」観光名所ワイロ
サマルカンド最大のモスク、ビビハニムモスク。こちらに訪れた時のこと。
訪問記事はコチラ
警察官に声をかけられる
ウズベキスタンでは、治安維持のためか警官がいたるところにいます。
カッサにて入場料を払おうとすると、門を警備していた数人の警官のうちのひとりが声をかけてきた。
日本から来たの?
入場料をボクが値切ってあげよう。
ボクは警察官だから、きみたちを塔に登らせてあげるよ!
うさんくさいな〜と思いながらも、ノコノコついていく。
いつもなら絶対ついていかないけれど、カメラで証拠写真も撮って、ときどき
変なことしたら、この画像はSNSにあげるわよ?
という動作をとることで、私なりに牽制しながら。
崩壊しかけの塔をのぼる
入り口の門の横の塔。
修復されているといえど、まだ崩壊したままですね。
ここから登らせてくれるらしい。。
重要文化財保護と、何よりも安全面から、日本だったら絶対に立ち入り禁止だと思う。
登るのに必死で写真はないけれど、レンガが落ちてこないか、いささか不安になったよ。
屋根まで登りました!
警官にエスコートされて屋根の上へ。
なんと、てっぺんはトタン屋根でした。
こ、こわいっ!
が、すぐに馴れて写真撮影大会に!
サマルカンドのまちを一望できる。日も暮れてきた。
美しい。
ゼーゼーいいながらなんとか登ったけど、ついてきて良かったな♪
最後にオカネを要求される
満足して塔をおりたところで、
じゃあ、君たちふたりで50,000スム(約660円)でいいよ!
と、爽やかに言われた。
そういうことかっ!!
正義の味方・誠実な人間性の日本の警官像とは違うのです
これって、親切にして最後にチップを要求する、海外ではたまにある行為だよねえ。
でも、まさか、警察官から求められるとは。。。思っていなかったのです。
水と警察はタダ の日本人の私には受け入れがたいものがある。
警官は親切するのが仕事だと日本の常識で考えてしまっていたわ。
他の名所でも同様の手口がある
レギスタン広場でも「塔に登ってみたくない?」と警官に声をかけられました。
もう手口はわかっとるっちゅうねん!!
ただ、やはり塔のうえからみる景色はすばらしかった。
オカネを要求されるとわかっていても、次もまた登ってみると思う。
でも、そのときは事前に料金交渉するぞ!値切ってやる〜〜!と、心に誓うコムギでした。
鉄道の座席をワイロでランクアップ
首都タシケントから目的地サマルカンドまでは、特急シャーク号で移動。
宿泊したホテルの方が英語を話せるアレンジャーを雇っていて、彼が切符購入をサポートしてくれました。ラクチンだ!
エコノミーシートを購入
VIPシートの切符を買いたいとお願いしたのに、エコノミーチケットを渡される。
タシケントからサマルカンドまで、ひとり片道59,000スム(約780円)。安っ!
わたしの英語、伝わっていなかったのかしら?
当日券の切符窓口はひとつしかないし、変更するのにかなり時間がかかりそう。
もうエコノミーでいいか。
列車の時刻も迫っているからホームへ向かう。
2人分のスーツケースをひきながらズンズン進むアレンジャー。
指定とは異なる車両につれていかれる、そこはVIP車両
6人1室コンパートメントのVIP席に案内された。それに2人で1室使ってOKだって!
あれ、エコノミーの料金しか払っていないぞ??
鉄道員に40,000スム渡してね!
ひとりあたり20,000スム(約260円)のワイロを鉄道員に渡すよう、アレンジャーの方より指示されました。
どうやら、エコノミーで切符をかって、ワイロでランクアップをはかってくれたようなのです。
そういうことかっ!
驚くわたしたちにアレンジャーの彼は、
That’s ウズベキスターン!!!
と笑顔。
それからは、この旅行でおどろきな出来事に遭遇すると、
That’s ウズベキスタ〜〜ン! と唱えていました。笑
ちなみに価格の差は
VIPシート通常購入:176,000スム(約2,300円)
エコノミー+ワイロ:76,000スム(約1,000円)
倍以上ちがう!
ゆったり個室。
3席分のシートを使い、横になって眠ることもできた。
サマルカンドまでは誰もこないし問題ないヨ!と鉄道員。
到着するまで、なにかのトラブルに巻き込まれないか少し不安でしたが、なにごともなく、サマルカンドまで到着しました。ほっ
ワイロの現場に直面して思うこと
決して詐欺ではない。嫌な気持ちにもなっていない。
警察官も鉄道員も、わたしに便宜を図ってくれた。
おカネを要求されたけども強制はされていない。
塔からおりてお金の支払いを拒否して逃げかえることもできたし、VIPシートをあきらめてエコノミーに戻ることもできた。
選択権はコチラにあったし、不快な気持ちにはなっていない。むしろ、通常だったら受けれないサービスを提供してくれている。
でも、でも、なぜかモヤモヤするのです。
このモヤモヤした気持ちの正体は・・・
「賄賂という犯罪に加担してしまった罪悪感」が生まれたのでした。
これまで真っ当に生きてきたと思っているのに、犯罪に手を染めてしまったあ。。
そう、コムギはわりと優等生なのです。
帰国後にアンサーが!
帰国後に、解を得ることができました。
海外駐在時にユーレイルパスでヨーロッパを巡ったという国際派の上司のコメント、
「それはだな、その国ではワイロじゃなくてチップなんだよ!チップと思えばいいんだ」
な、なるほど!
警官なのに文化財を利用してお小遣い稼ぎしやがって〜〜〜!任務中の公務員なんだから一般人に親切にするのは給料の範囲内でしょっ!
と憤慨したり、
鉄道員が、会社の備品(列車)を利用して小遣い稼ぎするなんて許されるの?横領じゃん!クビになるよ?懲戒免職案件だよ?
と心配しちゃうのは、あくまで日本のルール、慣習上のこと。
ウズベキスタンでは、これらのお金は「サービス(親切)の提供」への対価にすぎないのですね。相手が警察官や鉄道員なだけで。
そうか、ワイロじゃなくって、チップだね。うん、チップだ!
チップを渡すのは犯罪じゃないもんね。
そう考えると、とっても気が楽になりましたよ♪
どこまで許されるのか?境界がわかりにくい、ウズベキスタンのワイロの世界。
日本で培ってきた倫理観や社会慣習から大きく離れる出来事に直面すると、ほんとうに驚きますね。でもその驚きを感じることが旅の醍醐味であるように思います。
郷にはいらば郷に従え?今回は、ワイロ遭遇・体験談をご紹介しました♪
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