北前船で栄えた能登の港町・黒島。
●黒い壁でそろえられた家屋
●海を臨む街並み
●人の気配がなく静かな通り
とても美しいところで、こういう町を訪れたくて私は旅をしているのかもと思った場所。
以下の資料館では地元のボランティアガイドの方に親切に説明して頂きました。
●旧角海家住宅
●黒島天領北前船資料館
北前船で儲けた豪商の住宅「角海家住宅」は、見ごたえあり!
天領黒島とは
天領とは、幕府の直轄領のこと。ここ黒島は北前船で栄えた能登の港町。
黒島の家屋の共通要素
●黒瓦
●格子
●下見板張り
天領黒島へのアクセス
天領黒島は、能登半島、門前黒島町にあります。
輪島よりバスで総持寺へ移動、総持寺から歩いて訪れました。
徒歩50分程度。
天領黒島を歩く
門前総持寺駅より歩いていると、現れた「天領黒島」の石碑。こちらは本通りで、黒塗りの街並みを歩きます。
とっても静か。半分くらいの家屋は無人だそう。そんなふうには見えない。
マンホール。
メインストリートしか歩いていないからか、廃屋になっているようなところは見当たらない。
でも、まったく人が通らない。
ノスタルジックな建物が印象的な理容院。
駐車場には公衆トイレがありました。
徒歩での旅の道中では、とってもありがたい。
若宮八幡神社
黒島地区の中心部、旧角海家住宅すぐの高台に鎮座する若宮八幡神社。
若宮八幡神社
石川県輪島市門前町黒島町ロ15
Googleマップ
大きな鳥居。階段をのぼって本殿へ。
ここから眺める黒島の街並みがステキ。
鳥居の神額にも屋根がついている。雪よけかしら。
本殿に到着。
くだり。
旧角海家住宅
北前船で設けた廻船問屋の住宅。
旧角海家住宅
入場料:320円(2023年3月)
石川県輪島市門前町黒島町ロ−94
Googleマップ 公式サイト
ガイドの方がつきっきりで説明してくださった。説明を受けないと気づけないことも多い。
豪壮な建築
廻船問屋住宅は、二度再建されている。
●明治の大火後に工野藤兵衛によって再建
●能登半島地震後、輪島市によって復原
能登半島地震後、輪島市に寄贈されたのだとか。
開放的!すぐオープンできる構造
この住宅のつくりは、戸をすべて外せるようなつくりになっていた。
扉が上にあがったり、扉を移動して重ねて脇に寄せるようになっていたり。
面白いつくり!中庭はガラス張りで光を取り込むつくり。
漆を塗った襖紙
漆で絵が帰れている模様が珍しい襖紙。
震災で浸水したため傷んでしまったため、使える部分を集めてこの襖に残したのだとか。
豪商宅のお雛様
訪れたのは3月、雛飾りが飾ってありました。
調度品は、もちろん漆!
縁起をかついだ板張り
「入」という文字にみたてた板張り。「お金がジャンジャン入ってきますように」の願いをこめて。
立派な仏壇は新潟のもの
能登の仏壇は漆塗りで大型と聞いていた。立派な仏壇にはちがいないけれど、こちらは新潟のものなのですって。
豪商同士の付き合いでお金の貸し借りをした際の担保がこの仏壇だったらしい。
現在ではウン億相当だとか。
望楼から海がみえる
この部屋から自分の船を眺めていたのだそう。
豪商の金庫室
重量感のある金庫がありました。低い壁は天井に何かを隠していたのか?
蔵は、徹底した泥棒対策
さすが豪商宅の蔵。
随所に施された泥棒対策がおもしろい。
極端に狭い格子の幅は、たとえ壁を破っても、体をくぐらせることは難しい。
足を踏み出すたびに、大きな音を立てて、きしむ床。杉の木で頑丈なので大丈夫ですと説明を受けていても、それでもヒヤっとする。思わず声が出ちゃう。
3階へと続く階段は傾斜がついていて、お宝を運び出しても上手に下れないそう。
収蔵品
ずらりと並ぶ蒔絵の酒器。これだけでいくらするんだろう。
かつては、すぐそばが浜だった
扉の向こうはすぐ砂浜だった。
道路は埋め立てて建設されたもの。お年寄り世代は広い砂浜で運動会を開催したのだとか。
海風で倒れないように支えられた塀。
黒島天領北前船資料館
ガイドさんにつづけて案内していただく。
黒島天領北前船資料館
入館料:320円(2023年3月)
石川県輪島市門前町黒島町ロ114−2
Googleマップ 公式サイト
8月のお祭りのときに出陣する現役の山車が展示されていた。
祭の始まりにかかせなかった「獅子頭」。
北前船の模型もありました。
天領黒島を歩いて
●北前船の廻船問屋はさすが豪華な建物
●蔵の泥棒対策が面白い
●ガイドさんのおかげで「鑑賞ポイント」がよくわかり楽しかった
阿岸本誓寺への参拝目的がなかったら、きっと訪れる機会はなかった。ガイドブックやらでは拾いにくい名所に出会う機会を与えてくれる「百寺巡礼」に感謝。
【リンクカード】阿岸本誓寺
おしまい。
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